人工膝関節置換術後に金属アレルギーと思われ治療に難渋した一症例

症例は70歳男性. 10年前より両膝痛があり両変形性膝関節症と診断し, 平成10年11月26日に左膝, 平成11年1月12日に右膝の人工関節置換術を行った(Zimmer社製, NexGen). 左膝は現在まで術後経過良好であるが, 右膝は術後3週目頃より膝外側の発赤, 腫脹, 疼痛が出現した. 消炎剤などで対症的に治療していたが術後8カ月目頃より疼痛, 皮膚症状が増悪してきた. 白血球像で好酸球が19%と増加してきためアレルギーを疑い, パッチテストによりコバルトによる金属アレルギーと診断した. パッチテストで人工関節(京セラ製)の金属組成に対してアレルギーがないことを事前に確認し, 平成13...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 2; p. 478
Main Authors 比嘉丈矢, 嘉手川啓, 盛島秀泉, 堀切健士, 山内貴敬, 林宗幸, 宮里剛行, 城田真一, 上里智美, 大嶺啓, 金谷文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2004
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ISSN0037-1033

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Summary:症例は70歳男性. 10年前より両膝痛があり両変形性膝関節症と診断し, 平成10年11月26日に左膝, 平成11年1月12日に右膝の人工関節置換術を行った(Zimmer社製, NexGen). 左膝は現在まで術後経過良好であるが, 右膝は術後3週目頃より膝外側の発赤, 腫脹, 疼痛が出現した. 消炎剤などで対症的に治療していたが術後8カ月目頃より疼痛, 皮膚症状が増悪してきた. 白血球像で好酸球が19%と増加してきためアレルギーを疑い, パッチテストによりコバルトによる金属アレルギーと診断した. パッチテストで人工関節(京セラ製)の金属組成に対してアレルギーがないことを事前に確認し, 平成13年8月7日再置換術を行った. 術後2週間は炎症所見を認めなかったが, 徐々に症状が再燃し, 現在は再置換術前と同様である. 診断および治療に難渋している症例です. 本症例の病態および治療法につき御検討, 御教授をお願い致します.
ISSN:0037-1033