DR14関連抗原の血清学的解析

【目的】現在, HLA-DR14抗原はDNAレベルでの解析が進みクラスII抗原の中でも特に多くのalleleが報告されている. 今回我々は, DNAタイピングのなされているパネルの血清反応から, いくつかの抗DR14血清の中にDR14をさらにsplitする抗体を見い出したのでその特異性を検討した. 【方法】アロ血清TD1114に対して正常人パネルで通常のLCT法を行ない反応特異性を解析した. DNAタイピングは, DR3568に特異的なprimerを用いPCR法で増幅後, SSCP法およびRFLP法によりDRB1のタイピングを行った. 【結果】アロ血清TD1114はDQ1陽性のDR14タイプ(...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 2; p. 312
Main Authors 平田蘭子, 今井厚子, 前田平生, 遠山博, 近藤貴子, 西本徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.05.1994
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Summary:【目的】現在, HLA-DR14抗原はDNAレベルでの解析が進みクラスII抗原の中でも特に多くのalleleが報告されている. 今回我々は, DNAタイピングのなされているパネルの血清反応から, いくつかの抗DR14血清の中にDR14をさらにsplitする抗体を見い出したのでその特異性を検討した. 【方法】アロ血清TD1114に対して正常人パネルで通常のLCT法を行ない反応特異性を解析した. DNAタイピングは, DR3568に特異的なprimerを用いPCR法で増幅後, SSCP法およびRFLP法によりDRB1のタイピングを行った. 【結果】アロ血清TD1114はDQ1陽性のDR14タイプ(既知の抗DR14抗体によりタイプされたもの)34パネルのうち18パネルにのみ反応を示した. この陽性18パネルのDNAタイプは17パネルがDRB1*1401(95%), 1パネルがDRB1*1407(5%)であった. また, 陰性16パネルのDNAタイプはすべてDRB1*1405であった. この結果から抗血清TD1114によりDQ1陽性のDR14タイプをさらにsplitすることが可能になりこの陽性群を仮にDR14.1, 陰性群をDR14.5とした. 【結論】DNAレベルで多くのalleleの存在が明かにされているDR14抗原すべてを血清学的に同定することは困難ではあるが, 今回見い出したDR14.1, DR14.5にこれまでに血清学的に同定可能なDR14関連抗原として報告してきたHR5(DRB1*1406, *1402), HR6(DRB1*1403, *1412)を加え, DR14抗原は血清学的方法でも少なくとも4タイプに分類することが可能となった.
ISSN:0546-1448