補体C4B5アロタイプのRFLP解析
[目的]補体第4成分(C4)のC4B5アロタイプは日本人に特徴的であり, HLA-Bw54またはBw59と強い連鎖不平衡が認められている. C4アロタイプ遺伝子のRFLP解析ではC4アロタイプと相関するフラグメントが殆ど報告されていない. C4B遺伝子についてはlongとshortに分類されているのみである. 今回我々はC4B5についてDNA解析を行ない興味ある結果が得られたので報告する. [方法〕C4ダイビングはMauffらの方法に準じノイラミニダーゼ処理後, アガロースゲル電気泳動し, C4抗体で固定した. DNAタイピングはHLA抗原のタイプされたパネルの末梢白血球より高分子ジェノミック...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 35; no. 2; p. 277 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.05.1989
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | [目的]補体第4成分(C4)のC4B5アロタイプは日本人に特徴的であり, HLA-Bw54またはBw59と強い連鎖不平衡が認められている. C4アロタイプ遺伝子のRFLP解析ではC4アロタイプと相関するフラグメントが殆ど報告されていない. C4B遺伝子についてはlongとshortに分類されているのみである. 今回我々はC4B5についてDNA解析を行ない興味ある結果が得られたので報告する. [方法〕C4ダイビングはMauffらの方法に準じノイラミニダーゼ処理後, アガロースゲル電気泳動し, C4抗体で固定した. DNAタイピングはHLA抗原のタイプされたパネルの末梢白血球より高分子ジェノミックDNAをフェノール抽出・エタノール沈澱により精製・分離した. 制限酵素Hind IIIで切断し, アガロースゲル電気泳動した後, ナイロンフィルターにサザントランスファーした. ^^32 Pで標識したC4 cDNAクローンpAT-Aとハイブリダイズし, オートラジオグラフィーで得られたバンドを観察した. [結果]C4B5アロタイプは57名中7名(12.3%)に見られ全員がHLA-Bw54陽性であった. 制限酵素Hind IIIで切断したDNAとC4cDNAプローブとをハイブリダイズした結果, 5種類のパターンに分類された. パターンA:31および15Kb(9/26, 34.6%). パターンB:31, 25および15Kb(13/26, 50.0%). パターンC:31, 15および8.5Kb(1/26, 3.8%). パターンD:31, 25, 15および8.5Kb(1/26, 3.8%). パターンE:25, 15, 10および5Kb(7/26, 26.9%). 31および25KbフラグメントはC4B, 15KbフラグメントはC4A遺伝子由来である. また8.5KbフラグメントはC4A遺伝子が欠失した結果生じたものである. 10および5Kbフラグメント陽性者は全員がC4B5, BfS, Bw54陽性であった. このようにC4B5は特徴的なRFLPパターンを呈することからBw54に相関を示す疾患について重要な役割を演じている可能性が存在するものと考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |