輸血同種免疫感作:造血幹細胞移植による影響
目的:自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)施行時の同種免疫感作の頻度と危険因子についてプロスペクティブに検討した. 対象・方法:1995年1月~1998年12月までにPBSCTを受け, 白血球除去製剤のみを使用した58症例を対象とした(造血器腫瘍17例, 固形腫瘍40例). 抗血小板抗体検査はLCT法, AHG-LCT法, MPHA法の3法により隔週ごと行った. 結果:対象の58症例は, 中央値2(1~38)週間に, 赤血球輸血0(0~14)回, 0(0~30)単位, 血小板輸血5(0~38)回, 50(0~750)単位を受けた. 輸血歴または妊娠歴のある群でのHLA抗体陽転率は17%(5/29...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 4; p. 457 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.08.2000
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 目的:自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)施行時の同種免疫感作の頻度と危険因子についてプロスペクティブに検討した. 対象・方法:1995年1月~1998年12月までにPBSCTを受け, 白血球除去製剤のみを使用した58症例を対象とした(造血器腫瘍17例, 固形腫瘍40例). 抗血小板抗体検査はLCT法, AHG-LCT法, MPHA法の3法により隔週ごと行った. 結果:対象の58症例は, 中央値2(1~38)週間に, 赤血球輸血0(0~14)回, 0(0~30)単位, 血小板輸血5(0~38)回, 50(0~750)単位を受けた. 輸血歴または妊娠歴のある群でのHLA抗体陽転率は17%(5/29)で, 前感作歴の無い群の0%(0/28)に比し有意(p<0.02)に高かった. HPA抗体は1例も検出されなかった. 考察:血小板輸血によるサポートは, 大量化学療法後, PBSCTによる血小板造血が完全に回復するまでは必須となる. 従って, 前感作の可能性のあるPBSCT症例には, あらかじめHLA-classIタイピングを考慮する必要がある. |
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ISSN: | 0546-1448 |