閉塞性肺炎を繰り返した気管支平滑筋腫の1例

症例は54才, 女性. 繰り返す発熱と湿性咳嗽を主訴に来院した. 胸部X線写真と胸部CT上, 右上葉入口部に軟部陰影が存在し, 右上葉の閉塞性肺炎を伴っていた. 気管支鏡検査で, 右上葉入口部を閉塞する表面平滑な腫瘤を認め, 生検組織診断で平滑筋腫と診断した. 肺炎を繰り返していたため, 右上葉切除術を行った. 摘出標本腫瘤は, 直径10 mm, 右B^2 入口部に基部を持ち, 右B^3 入口部をふさぐように口側にポリープ状に発育していた. 右S^3 領域に, 壊死を伴った器質化肺炎像を呈していた. 肺の良性腫瘍は稀であり, なかでも平滑筋腫はきわめて稀とされている. 今回我々は区域気管支に発...

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 1; p. 60
Main Authors 望月博史, 川村邦雄, 宇野友康, 小熊妙子, 樋口哲也, 藤森勝也, 関根輝夫, 斉藤正幸, 中山健司, 大関一, 若木邦彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.2002
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Summary:症例は54才, 女性. 繰り返す発熱と湿性咳嗽を主訴に来院した. 胸部X線写真と胸部CT上, 右上葉入口部に軟部陰影が存在し, 右上葉の閉塞性肺炎を伴っていた. 気管支鏡検査で, 右上葉入口部を閉塞する表面平滑な腫瘤を認め, 生検組織診断で平滑筋腫と診断した. 肺炎を繰り返していたため, 右上葉切除術を行った. 摘出標本腫瘤は, 直径10 mm, 右B^2 入口部に基部を持ち, 右B^3 入口部をふさぐように口側にポリープ状に発育していた. 右S^3 領域に, 壊死を伴った器質化肺炎像を呈していた. 肺の良性腫瘍は稀であり, なかでも平滑筋腫はきわめて稀とされている. 今回我々は区域気管支に発生し, 繰り返す閉塞性肺炎の原因となった平滑筋腫の1例を報告した.
ISSN:0287-2137