Tachistoscopeを用いた脳血管障害患者反応時間の測定

我々はこれまで片麻痺患者のpremotor timeの測定を行い, 麻痺の左右差の検討等を行ってきた. 今回はTachistoscopeを用いて, reaction timeすなわちpremotor time+motor timeを測定し, 発症からの期間との関係を検討した. 対象は, 当院リハビリテーション科受診中の脳血管障害患者で発症後早期からreaction timeを測定できた24名である. 内訳は男性13名女性11名, 梗塞と出血は12名ずつで, 片麻痺は左右それぞれ12名である. 課題はTachistoscopeの画面上に, ランダムな時間間隔で提示された丸印に対し, できるだけ早...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 11; p. 876
Main Authors 鈴木美保, 才藤栄一, 田中ともみ, 馬場尊, 川瀬恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.1998
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Summary:我々はこれまで片麻痺患者のpremotor timeの測定を行い, 麻痺の左右差の検討等を行ってきた. 今回はTachistoscopeを用いて, reaction timeすなわちpremotor time+motor timeを測定し, 発症からの期間との関係を検討した. 対象は, 当院リハビリテーション科受診中の脳血管障害患者で発症後早期からreaction timeを測定できた24名である. 内訳は男性13名女性11名, 梗塞と出血は12名ずつで, 片麻痺は左右それぞれ12名である. 課題はTachistoscopeの画面上に, ランダムな時間間隔で提示された丸印に対し, できるだけ早くスイッチボタンを押すという視覚刺激に対する単純反応動作である. 発症から第1回測定日までは平均34.3日, 6回めまでは114日であった. 平均年齢67歳の健常人10人を測定し標準値(220msec±24.4)とした. 患者の反応時間はいずれの待機時間においても発症から時間がたつにつれて標準値に近付いた(待機時間1.25秒:1回め440msecが6回めでは325msec, 待機時間3秒:470msecから284secと変化した). FIMを用いたADL評価ではプラトーに達してしまった場合でも変化がみられる指標である. 今後, より慢性期の患者の測定を行いたい. AMMなど他の認知評価との関連を検討する必要がある.
ISSN:0034-351X