キャピラリー電気泳動法を用いたヒト血清成分の分析(1)―無機イオンの分析

〔目的〕キャピラリーゾーン電気泳動法(CZE)は微量の試料からオンカラム検出により迅速に分析できることから注目されている. われわれは, CZEを各種ヒト血清成分の分離分析に応用する検討の一環として, 今回, 各種無機イオンの分析に関する基礎的検討を試みたので報告する. 〔材料およぴ方法〕ヒト血清は健常者およぴ各種患者(甲状腺機能亢進症, 慢性腎不全, アルドステロン症, 他)血清を用いた. 各種無機イオン(Na, K, Ca, Mg, CH, Fe, C1, HCO3)溶液は和光純薬社製標準液を用い各種濃度の溶液を調製した. キャピラリー管はジーエルサイエンス社製(75μm×60cm)を用い...

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Published in生物物理化学 Vol. 36; no. 5; p. 283
Main Authors 西口慶一, 今井利夫, 吉田光孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 01.10.1992
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ISSN0031-9082

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Summary:〔目的〕キャピラリーゾーン電気泳動法(CZE)は微量の試料からオンカラム検出により迅速に分析できることから注目されている. われわれは, CZEを各種ヒト血清成分の分離分析に応用する検討の一環として, 今回, 各種無機イオンの分析に関する基礎的検討を試みたので報告する. 〔材料およぴ方法〕ヒト血清は健常者およぴ各種患者(甲状腺機能亢進症, 慢性腎不全, アルドステロン症, 他)血清を用いた. 各種無機イオン(Na, K, Ca, Mg, CH, Fe, C1, HCO3)溶液は和光純薬社製標準液を用い各種濃度の溶液を調製した. キャピラリー管はジーエルサイエンス社製(75μm×60cm)を用い泳動装置はアプライドバイオシステムズ社製270-A型装置を使用した. 分析に際しては引圧法により試料をキャピラリー内に注入し, 10-30KVで3~10分間電気泳動し214nm(陽イオン)および254nm(陰イオン)における吸光度を測定した. 本法と他方法との分析値の比較検討には原子吸光法およびイオン電極法を用いた. また, 血清の前処理法(各種除蛋白法, 他)についても検討した. [結果および考察]CZEの分離像におよぼす試料の注入法, 通電条件, 緩衝液および添加剤等の影響について検討した.
ISSN:0031-9082