学童期スポーツにおける熱中症の発症予防に関する研究

高温環境における重篤な学童期スポーツ障害に熱中症がある. 熱中症は体温調節の失調により体温上昇および脱水などを示すことから, 体内の水分変動量を推測することにより, その発症予防が可能となると考えられる. そこで家庭用体脂肪計を用いて体脂肪率の変化から体内の水分変動量を推測することが可能かどうか検討した. 「対象と方法」体水分量を変化させるためサウナを用いて健常者(男性5名)に対して温度負荷を与え, 発汗前および発汗開始後10分, 20分, 30分の体重と体温, 体脂肪率の変化を測定した. 「結果とまとめ」サウナ入浴により, 全被験者とも体温の上昇および体重の減少を認めた. また, 被験者5名...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 4; p. 243
Main Authors 佐浦隆一, 森田晶司, 松本優子, 石川齊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.04.2000
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Summary:高温環境における重篤な学童期スポーツ障害に熱中症がある. 熱中症は体温調節の失調により体温上昇および脱水などを示すことから, 体内の水分変動量を推測することにより, その発症予防が可能となると考えられる. そこで家庭用体脂肪計を用いて体脂肪率の変化から体内の水分変動量を推測することが可能かどうか検討した. 「対象と方法」体水分量を変化させるためサウナを用いて健常者(男性5名)に対して温度負荷を与え, 発汗前および発汗開始後10分, 20分, 30分の体重と体温, 体脂肪率の変化を測定した. 「結果とまとめ」サウナ入浴により, 全被験者とも体温の上昇および体重の減少を認めた. また, 被験者5名とも温度負荷時間とともに体脂肪率は減少していた. すなわち体重減少(≒水分喪失)量と体脂肪率の変化が相関を示すことから, 学童期スポーツ時の運動量, 疲労度と体脂肪率の変化を検討することにより, 熱中症の発症を予測できる可能性が示唆された.
ISSN:0034-351X