指頭触診圧計の信頼性について

Bendtsenらのpalpometerに準じた指頭触診圧計を作成し, 異なる条件下での測定値の再現性からその信頼性を評価した. 指頭触診圧計はひずみの大きさを電気抵抗の違いとして感知するひずみセンサーと, ひずみの大きさを任意の単位として表示, 記録する部分からなる. センサー部は直径約5mmの薄い円板状で, これを利き手の示指指腹部に粘着テープで取り付けて使用した. 臨床経験のある者10名とない者10名を測定者とし, 筋膜までの皮下組織を想定した厚さの異なるシリコンを介してセンサーを取り付けた示指にて圧測定器を圧迫し, 100gから1kgの100gごとにひずみの大きさと圧との関係を記録した...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 11; p. 817
Main Authors 堀井基行, 勝見泰和, 中澤寛元, 田中利彦, 田村美恵, 丹澤章八
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.1997
Online AccessGet full text
ISSN0034-351X

Cover

More Information
Summary:Bendtsenらのpalpometerに準じた指頭触診圧計を作成し, 異なる条件下での測定値の再現性からその信頼性を評価した. 指頭触診圧計はひずみの大きさを電気抵抗の違いとして感知するひずみセンサーと, ひずみの大きさを任意の単位として表示, 記録する部分からなる. センサー部は直径約5mmの薄い円板状で, これを利き手の示指指腹部に粘着テープで取り付けて使用した. 臨床経験のある者10名とない者10名を測定者とし, 筋膜までの皮下組織を想定した厚さの異なるシリコンを介してセンサーを取り付けた示指にて圧測定器を圧迫し, 100gから1kgの100gごとにひずみの大きさと圧との関係を記録した. シリコンは厚みが5,10,15および20mmのものを使用し, 室温は15,20および25度とした. 同一条件下で各6回測定した. その結果, ひずみの大きさに有意に影響するのは加えた圧とシリコンの厚みで, 測定者の臨床経験や室温は影響しなかった(三元配置ブロック法:STATISTICA4.0J for Macintosh). また, シリコンの厚みが同じ場合にはひずみの大きさと圧とは比例関係があり, 薄いほど同じ圧でひずみが大きかった. 以上からこの指頭触診圧計では, 体格の異なる患者や異なる部位での触診圧の比較は困難であるが, 同一患者の同一部位では検者が異なったり, 室温が異なっても触診圧を比較することが可能と考える.
ISSN:0034-351X