急速に気管支内病変を形成した癌肉腫の1例

症例は61歳, 男性. 胸部X線上, 腫瘤影を認め入院となった. 入院時気管支鏡所見では, B^2 内の亜区域枝まで異常を認めず, 1回目の生検では悪性所見は認めなかった. 再検のため実施した18日後には, B^2 から突出する径6mmのポリポイド病変が出現していた. さらに4週間後には, 腫瘍は右主幹内を進展し気管分岐部より2輪目にまで到達しており, 推測したdoubling timeは3.2日と極めて急速であった. 腫瘍は病理学的に癌肉腫で, 病期はpT2N0M0であった. 本例では高度の肺気腫の存在と本人が切除を納得しなかったことから癌肉腫の極めて急速な自然経過を観察しえた症例であった....

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 4; p. 315
Main Authors 新海正晴, 小林英夫, 小原一葉, 斉藤渉, 車川寿一, 元吉和夫, 小原聖勇, 尾関雄一, 緒方衝, 相田真介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.05.2000
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は61歳, 男性. 胸部X線上, 腫瘤影を認め入院となった. 入院時気管支鏡所見では, B^2 内の亜区域枝まで異常を認めず, 1回目の生検では悪性所見は認めなかった. 再検のため実施した18日後には, B^2 から突出する径6mmのポリポイド病変が出現していた. さらに4週間後には, 腫瘍は右主幹内を進展し気管分岐部より2輪目にまで到達しており, 推測したdoubling timeは3.2日と極めて急速であった. 腫瘍は病理学的に癌肉腫で, 病期はpT2N0M0であった. 本例では高度の肺気腫の存在と本人が切除を納得しなかったことから癌肉腫の極めて急速な自然経過を観察しえた症例であった.
ISSN:0287-2137