試作歯面処理剤の変異原性の検討

コンポジットレジン修復で, 術式が簡単で, 象牙質に樹脂を浸透させず接着できる新しい歯面処理剤(試作歯面処理剤)を得た. これを臨床で使用するためには数多くの安全性試験が必要である. 今回は生物学的安全性に関して変異原性試験を行い, 細胞の遺伝子に対する傷害性などを検討することにより, 発ガン性の有無について予測した. サルモネラ菌TA98およびTA100を試験菌株とした復帰突然変異試験のプレインキュベーション法を用い, His+復帰変異コロニー数を測定した. S-9mixを添加した代謝活性化系と非添加の非代謝活性化系にて検討した結果, His+復帰変異コロニー数は, 試作歯面処理剤とnega...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 55; no. 4; p. 277
Main Authors 大住伴子, 東泉, 庄野庸雄, 黒木賀代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.08.2001
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ISSN0368-6833

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Summary:コンポジットレジン修復で, 術式が簡単で, 象牙質に樹脂を浸透させず接着できる新しい歯面処理剤(試作歯面処理剤)を得た. これを臨床で使用するためには数多くの安全性試験が必要である. 今回は生物学的安全性に関して変異原性試験を行い, 細胞の遺伝子に対する傷害性などを検討することにより, 発ガン性の有無について予測した. サルモネラ菌TA98およびTA100を試験菌株とした復帰突然変異試験のプレインキュベーション法を用い, His+復帰変異コロニー数を測定した. S-9mixを添加した代謝活性化系と非添加の非代謝活性化系にて検討した結果, His+復帰変異コロニー数は, 試作歯面処理剤とnegative controlの間に有意差が認められず, 試作歯面処理剤の変異原性は陰性と判定され, 臨床で用いても, 発ガン性を示す可能性は非常に低いと推測された.
ISSN:0368-6833