肺癌に対するPDTの新しい試み

PDTは早期中心型肺癌(Tis)に対する標準的な治療として米国のホームページに紹介されている. 当科で2000年4月現在までにPDTを施行した早期肺癌症例は113例(149病巣)で, CRが128病巣85.9%に得られた. 5年生存率は55.6%(86.5%:現病死のみ)であった. 今後quality of lifeを考慮すべき症例の増加が予測され, PDTの適応拡大が望まれる. 1)閉塞を認める進行気管支癌に対する姑息的治療, 2)縮小手術を目的とした術前療法, 3)小型末梢型肺癌の根治的治療, 4)胸膜播種に対する姑息治療などが新しい試みとして検討されている. 閉塞に対するPDTはYAGレ...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 21; no. 3; p. 258
Main Authors 奥仲哲弥, 古川欣也, 土田敬明, 島谷英明, 臼田実男, 石田順造, 似鳥純一, 黒岩ゆかり, 小中千守, 會沢勝夫, 加藤治文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 28.09.2000
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Summary:PDTは早期中心型肺癌(Tis)に対する標準的な治療として米国のホームページに紹介されている. 当科で2000年4月現在までにPDTを施行した早期肺癌症例は113例(149病巣)で, CRが128病巣85.9%に得られた. 5年生存率は55.6%(86.5%:現病死のみ)であった. 今後quality of lifeを考慮すべき症例の増加が予測され, PDTの適応拡大が望まれる. 1)閉塞を認める進行気管支癌に対する姑息的治療, 2)縮小手術を目的とした術前療法, 3)小型末梢型肺癌の根治的治療, 4)胸膜播種に対する姑息治療などが新しい試みとして検討されている. 閉塞に対するPDTはYAGレーザーと同等の有効率(75%)を獲得した. YAGレーザーとの併用療法を行い, 腫瘍再発までの期間が延長した報告もある. 切除肺の縮小または手術不能例を手術可能例にするという当初の目的を30例中26例に達成した. 手術不能な末梢小型肺癌に対しレーザーファイバーをCTガイド下に挿入し照射する試みや, 胸膜肺全摘術後の胸腔内PDTについてもその可能性に対する検討を加えた.
ISSN:0288-6200