成人アテトーゼ型脳性麻痺の頸髄障害における定量的筋電図所見の検討
【目的】アテトーゼ型脳性麻痺(以下, CP)の頸髄症合併例の患側上肢に定量的筋電図を行い頸椎MRIによる画像診断とを比較し, その有用性を検討した. 【対象および方法】1989年10月以降当センターを受診したアテトーゼ型CPで頸髄症を合併した18例(男9例, 女9例), 平均年齢45.9歳(30~60歳). Nicolet Vikingを用い, Buchthalらの方法で三角筋, 上腕二頭筋, 上腕三頭筋, 小指外転筋の定量的筋電図を行った. 定量的筋電図の神経原性所見としてMUPs平均持続時間については正常値の21%以上延長しているものを陽性とした. 頸椎MRI所見はNagataらの方法によ...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 30; no. 11; p. 802 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.11.1993
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 【目的】アテトーゼ型脳性麻痺(以下, CP)の頸髄症合併例の患側上肢に定量的筋電図を行い頸椎MRIによる画像診断とを比較し, その有用性を検討した. 【対象および方法】1989年10月以降当センターを受診したアテトーゼ型CPで頸髄症を合併した18例(男9例, 女9例), 平均年齢45.9歳(30~60歳). Nicolet Vikingを用い, Buchthalらの方法で三角筋, 上腕二頭筋, 上腕三頭筋, 小指外転筋の定量的筋電図を行った. 定量的筋電図の神経原性所見としてMUPs平均持続時間については正常値の21%以上延長しているものを陽性とした. 頸椎MRI所見はNagataらの方法によりC_3/4 , C_4/5 , C_5/6 の各椎間レベルのfield-echo法横断像で狭窄度をtype A~Dに分類した. 【結果】MRIの横断像ではC_3/4 , C_4/5 , C_5/6 においてtype Dがもっとも多かった. 三角筋筋電図とC_3/4 , C_4/5 レベルでのMRI所見の間には相関関係が認められた. 上腕二頭筋筋電図とC_4/5 レベルでのMRI所見の間には相関関係が認められた. 上腕三頭筋筋電図所見とC_5/6 レベルでのMRI所見との間には相関関係が認められた. 【考察】アテトーゼ型CPに伴った頸髄症では, 定量的筋電図とMRIなどの画像診断を組み合わせることにより診断の客観性を高め, 障害部位を正確に判断することができる. |
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ISSN: | 0034-351X |