急性期心筋梗塞リハビリテーションの検討
「目的」前回本学会にて, 急性心筋梗塞の運動処方とリハ医の役割について報告した. 今回はより適正なゴール設定するための因子を明確化するため, 年齢・最大CK値・病変枝数・残存狭窄・合併症と転帰の関連やゴール達成までの期間との関連について調査した. 「対象」1997年9月~1998年10月に依頼のあった急性心筋梗塞患者103例(男88例, 女15例), 年齢32~84歳, 平均年齢64.1歳, 平均最大CK値2,891. 「方法」ゴールを500m歩行+階段昇降に設定し, 転帰を第I群(順調にゴール達成), 第II群(達成遅延), 第III群(非達成)に分け, さらに第I群の患者を2週間以内ゴール...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 36; no. 11; p. 744 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.1999
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 「目的」前回本学会にて, 急性心筋梗塞の運動処方とリハ医の役割について報告した. 今回はより適正なゴール設定するための因子を明確化するため, 年齢・最大CK値・病変枝数・残存狭窄・合併症と転帰の関連やゴール達成までの期間との関連について調査した. 「対象」1997年9月~1998年10月に依頼のあった急性心筋梗塞患者103例(男88例, 女15例), 年齢32~84歳, 平均年齢64.1歳, 平均最大CK値2,891. 「方法」ゴールを500m歩行+階段昇降に設定し, 転帰を第I群(順調にゴール達成), 第II群(達成遅延), 第III群(非達成)に分け, さらに第I群の患者を2週間以内ゴール達成群(Ia群), 2週間以上ゴール達成群(Ib群)に分け, それぞれの因子との関連について検討. 「結果」第I群84例(81.6%)平均年齢62.4歳, 第II群3例(2.9%)64.4歳, 第III群16例(15.5%)73.2歳. 第III群では第I群に比べ70歳以上の高齢者・他枝病変合併例・残存狭窄が梗塞本枝や他枝に強いもの・心不全合併が多く, 最大CK値・重症不整脈合併では差はなかった. Ia群(40例)とIb群(44例)の比較では, Ib群で平均最大CK値が高く, 心不全合併が多いが, 他の因子では差はなかった. 「考察」年齢・病変枝数・残存狭窄・心不全合併がゴール達成の指標に, CK値はゴール達成期間を予測する上で参考となりうることが示唆された. |
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ISSN: | 0034-351X |