完全閉塞型胆管癌に対するPTCS下レーザー局所温熱療法の試み
細径でシングルチャンネルスコープである胆道鏡下にレーザーサーミアを行なうため, 基礎的検討を担癌マウスを用いて行った後, 臨床応用を試みた. 基礎実験の結果, 照射出力2.0Wで, 最初の連続照射時間が90~120秒, その後パレス照射(0.1秒照射, 0.1秒休止)で合計15分(約1000ジュール)が有効で, かっ安定した温度状態となり, 直径7~10mmの範囲で腫瘍の変性・壊死を示した. この結果, 温度センサーによる温度制御なくしてもある程度のレーザーサーミアが可能と考えた. 症例は78才女性で黄疸を主訴として来院. PTCDを施行し, 下部胆管癌による完全閉塞と診断した. 手術適応外の...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 10; no. 4; p. 54 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本レーザー医学会
01.03.1990
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Summary: | 細径でシングルチャンネルスコープである胆道鏡下にレーザーサーミアを行なうため, 基礎的検討を担癌マウスを用いて行った後, 臨床応用を試みた. 基礎実験の結果, 照射出力2.0Wで, 最初の連続照射時間が90~120秒, その後パレス照射(0.1秒照射, 0.1秒休止)で合計15分(約1000ジュール)が有効で, かっ安定した温度状態となり, 直径7~10mmの範囲で腫瘍の変性・壊死を示した. この結果, 温度センサーによる温度制御なくしてもある程度のレーザーサーミアが可能と考えた. 症例は78才女性で黄疸を主訴として来院. PTCDを施行し, 下部胆管癌による完全閉塞と診断した. 手術適応外のため, PTCD下レーザーサーミアによる内瘻化を行なったところ, 腫瘍の明らかな脱落を認め, その有効性が確認された. |
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ISSN: | 0288-6200 |