Coffin-Lowry症候群の1例

Coffin-Lowry症候群は特異顔貌, 骨格奇形, 低身長および重度の精神遅滞などを主徴とする奇形症候群で, 本邦では現在までに約50例の報告がある. 今回, 比較的短期間のうちに歩行障害をきたしたCoffin-Lowry症候群の1症例を経験した. 症例は22歳, 男性. 発症前は屋外歩行ができた. 2000年1月感冒症状出現. 臥床がちとなり独歩不能となったため, リハビリテーション目的にて当院入院. 重度の精神遅滞, 粗な顔貌や手指のかえで状変形を認めた. CTでは大脳鎌や小脳テントおよび, 黄色靱帯の石灰化を認めた. X線上, 末節骨の鍵穴状変形様, 脊椎異常の所見を認めた. 歩行障...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 1; p. 70
Main Authors 平敏裕, 前原愛和, 湧上聖, 江頭有朋, 山崎富浩, 今村義典, 末永英文, 米須功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2001
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:Coffin-Lowry症候群は特異顔貌, 骨格奇形, 低身長および重度の精神遅滞などを主徴とする奇形症候群で, 本邦では現在までに約50例の報告がある. 今回, 比較的短期間のうちに歩行障害をきたしたCoffin-Lowry症候群の1症例を経験した. 症例は22歳, 男性. 発症前は屋外歩行ができた. 2000年1月感冒症状出現. 臥床がちとなり独歩不能となったため, リハビリテーション目的にて当院入院. 重度の精神遅滞, 粗な顔貌や手指のかえで状変形を認めた. CTでは大脳鎌や小脳テントおよび, 黄色靱帯の石灰化を認めた. X線上, 末節骨の鍵穴状変形様, 脊椎異常の所見を認めた. 歩行障害や手指の巧緻性低下に対してリハを施行し, 歩行は歩行器使用で軽介助レベルにまで回復している.
ISSN:0034-351X