地域リハビリテーション活動の評価―『地域リハ・ケア活動評価マニュアル』を用いて

【目的】われわれは地域リハビリテーション(以下, リハ)活動の進捗状況や課題を明らかにすべく, 『地域リハ・ケア活動評価マニュアル』を作成し, 推進に役立てている. 今回, このマニュアルを用いて県内の活動評価を行ったので報告する. 【対象と方法】長崎県下全市町村(79カ所)を対象とし, (1)医療における地域リハ活動(14項目), (2)機能訓練事業(20項目), (3)デイサービス事業(26項目), (4)訪問指導事業(14項目), (5)ホームヘルプ事業(11項目), (6)地域リハの組織化活動(8項目), (7)住民への働きかけと参加活動(9項目)の計102項目からなるマニュアルに基づ...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 33; no. 12; pp. 1040 - 1041
Main Authors 浜村明徳, 梅木義臣, 藤田雅章, 松坂誠應
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1996
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ISSN0034-351X

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Summary:【目的】われわれは地域リハビリテーション(以下, リハ)活動の進捗状況や課題を明らかにすべく, 『地域リハ・ケア活動評価マニュアル』を作成し, 推進に役立てている. 今回, このマニュアルを用いて県内の活動評価を行ったので報告する. 【対象と方法】長崎県下全市町村(79カ所)を対象とし, (1)医療における地域リハ活動(14項目), (2)機能訓練事業(20項目), (3)デイサービス事業(26項目), (4)訪問指導事業(14項目), (5)ホームヘルプ事業(11項目), (6)地域リハの組織化活動(8項目), (7)住民への働きかけと参加活動(9項目)の計102項目からなるマニュアルに基づき調査した. 評価は, それぞれの事業担当責任者に依頼し, a~dの4段階で評価した(aが理想的, cが平均的レベル). 【結果と考察】回収率は74.3%であった. 7活動を比較すると, 機能訓練・デイサービス・訪問指導・ホームヘルプの各直接的援助活動ではaやbの占める割合が高く, 医療の地域リハ・地域リハの組織化・住民啓発と参加の各活動ではcやdが6~8割を占めていた. われわれは7活動に総合的に取り組んできたが, 後者の3活動に多くの課題があることが示唆された. 県下の現状をおおむね客観的に反映した結果が得られた. しかし, 保健事業と福祉事業間の評価差のように, これまでの活動経験と異なる部分がいくつかみられた. これには, 自己評価の仕方や評価マニュアルそのものの問題が関与していると思われた.
ISSN:0034-351X