障害児, 者の療育指導の現状と継続性の問題
障害者年後10年余を経過した現在, 障害児, 者療育の現状を調査し, 継続指導が軽視されている現状が浮かんできた. 身体機能の現状理解, 特に摂食機能リハビリテーションについて, 変遷指導の必要性を報告する. 「対象」地域通所施設, 入所施設, 養護学校に通う幼児から成人までの110名で調査した. 期間は平成7年から4年間, 面接調査を行った. 母親の年齢は平均50歳余, 障害名は脳障害が70%, 性別は男性60%. 「調査結果」脳性麻痺を含む脳障害児, 者はいずれも早期療育指導を受け, 理学療法を指導されていた. しかし摂食発達を促す指導は早期に開始されていない. 摂食機能の発達は呼吸, 筋...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 36; no. 12; p. 988 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.12.1999
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 障害者年後10年余を経過した現在, 障害児, 者療育の現状を調査し, 継続指導が軽視されている現状が浮かんできた. 身体機能の現状理解, 特に摂食機能リハビリテーションについて, 変遷指導の必要性を報告する. 「対象」地域通所施設, 入所施設, 養護学校に通う幼児から成人までの110名で調査した. 期間は平成7年から4年間, 面接調査を行った. 母親の年齢は平均50歳余, 障害名は脳障害が70%, 性別は男性60%. 「調査結果」脳性麻痺を含む脳障害児, 者はいずれも早期療育指導を受け, 理学療法を指導されていた. しかし摂食発達を促す指導は早期に開始されていない. 摂食機能の発達は呼吸, 筋緊張のコントロール, 体調, 食環境形態への慣れ, 精神面の安定等が関与し, 親の期待に必ずしもそわない. 親の中には普通食への期待が強く, 無理な食形態を与え, 誤嚥の危険性に気づかない場合がみられた. 障害者の機能障害は親に理解しにくい問題で, 老人の機能低下, 特に体調同様摂食機能も低下する. 親の介護者への継続指導, 医師の協力は大切である. 障害の重度重複者の自己決定はできず, 親や介護者の正しい知識と実行が欠かせない. 「まとめ」療育特に摂食機能の管理は, 年齢に関係なく生命維持に重要な役割を持っている. 親の生活環境や地域性もあり個人的問題が深く関係し, 一律な指導は受け入れにくい. 多くの場合成長に伴い療育指導は中断され, 親中心の生活援助が行われているのも生活態度に組みこまれている. 個人に適つた生活指導の継続性を必要としている. 介護者の体力, 社会性の育成とともに生活と共存できる療育指導の研究が必要である. |
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ISSN: | 0034-351X |