進行期癌患者に対するリハビリテーションおよび整形外科的問題点について
進行期癌患者に対する症状のコントロールについては, 転移性脊椎腫瘍患者47例中, モルヒネ等の麻薬性鎮痛剤を投与した21例では90.5%に有効との結果が出ており, 不快な症状のうち, 疼痛のコントロールはほぼはかれると考えている. そのうえで適応があればADL拡大, QOL向上のためのリハビリテーションを行う. 過去4年8カ月間の当院ホスピス入院患者956名のうち, リハビリテーションを必要とした患者は222名であった. このうち骨転移は41.4%にみられ, その中でも脊椎転移は32.4%, 麻痺を生じていたものは18.9%に及んだ. 進行期癌患者, 特にホスピス患者に対する整形外科的処置はけ...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 29; no. 12; pp. 1094 - 1095 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.12.1992
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Summary: | 進行期癌患者に対する症状のコントロールについては, 転移性脊椎腫瘍患者47例中, モルヒネ等の麻薬性鎮痛剤を投与した21例では90.5%に有効との結果が出ており, 不快な症状のうち, 疼痛のコントロールはほぼはかれると考えている. そのうえで適応があればADL拡大, QOL向上のためのリハビリテーションを行う. 過去4年8カ月間の当院ホスピス入院患者956名のうち, リハビリテーションを必要とした患者は222名であった. このうち骨転移は41.4%にみられ, その中でも脊椎転移は32.4%, 麻痺を生じていたものは18.9%に及んだ. 進行期癌患者, 特にホスピス患者に対する整形外科的処置はけっして少なくない. たとえば上腕骨病的骨折の治療でも, 手術以外にギプスから三角巾まで多くの選択枝があり, 固定力が弱くても快適で耐えうる方法を選ぶ. いろいろと試行して本人に決めてもらう場合が多い. 脊椎転移による完全対麻痺症例6例にコトレル脊髄除圧後方固定手術を施行した. 術後5週間で死亡した1例を除けば全例にADLの向上を得た. 特に59歳肝癌ホスピス患者は転子部骨転移に人工骨頭置換手術を施行し, 歩行退院したが1年後に脊椎転移から完全対麻痺に陥り, コトレル手術を施行した. 術後2カ月半で松葉杖歩行退院し家庭で過ごし, 1年3カ月生存した. もし手術をしていなければ, QOLがどれほど違っていたものであろうかと考えさせられた症例であった. <質疑応答> 水落和也(横浜市民病院):手術された例の術後のリハビリテーションプログラムは, OAなど他の疾患と同様ですか. |
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ISSN: | 0034-351X |