重症心身障害児施設における他機関との連携の実態について

近年, 重症心身障害児(以下, 重症児)施設に入所している重症児・者の障害像や年齢は多様化してきているため, 重症児・者へのサービスの向上を図るためには, 他機関との連携が必要不可欠である. そこで, 日本重症児福祉協会加入の重症児施設に対して他機関との連携についてアンケート調査を実施し, その結果から, 重症児施設の今後の方向性, 役割について検討した. 「対象」鉄本重症児福祉協会加入の重症児施設81カ所. 「方法」アンケート方式による調査を行った. アンケートの内容は, 1)NICU, 他医療機関, 他療育施設との連携の有無について, 2)過去5年間の他機関からの入所数についてである. 「...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 12; p. 1012
Main Authors 鈴木郁子, 河野展広, 後藤晴美, 坂田睦子, 間嶋満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1999
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Summary:近年, 重症心身障害児(以下, 重症児)施設に入所している重症児・者の障害像や年齢は多様化してきているため, 重症児・者へのサービスの向上を図るためには, 他機関との連携が必要不可欠である. そこで, 日本重症児福祉協会加入の重症児施設に対して他機関との連携についてアンケート調査を実施し, その結果から, 重症児施設の今後の方向性, 役割について検討した. 「対象」鉄本重症児福祉協会加入の重症児施設81カ所. 「方法」アンケート方式による調査を行った. アンケートの内容は, 1)NICU, 他医療機関, 他療育施設との連携の有無について, 2)過去5年間の他機関からの入所数についてである. 「結果」アンケートの回収率は, 64%であった. 重症児施設が, 何らかの連携をとっている他機関の内訳は, NICUが6施設, 他医療機関が8施設, 他療育施設が22施設であった. 他機関からの入所数については, NICUが27人, 他医療機関が76人, 他療育施設が168人であった. 「考察」医療保険の改正などで, 長期入院が困難であり, 在宅支援も不十分な現状では, 障害の重度な重症児・者への対応として重症児施設の役割は, ますます大きくなると考えられた. また, 重症児施設にとって, 「機能分化」と「連携」は, 昨今の流動的な医療, 福祉行政の中における1つのキーワードであると考えられた.
ISSN:0034-351X