在宅で父親を看取った娘の悲嘆プロセス~受容の後に見えてきたユーモア

ターミナル期における家族の心理は, 癌患者がたどる心理過程と同じだと言われる. 今回余命3ヶ月と診断され, 家族の強い希望で告知せず, 真実を隠し通し4ヶ月の在宅療養の後, 在宅で看取ったキーパーソンの悲嘆プロセスを経験した. アルフォンスデーケンの悲嘆プロセスで分析したところ, クリスチャンでない家族においても「ユーモア」が見られたのでここに報告する. 【用語の定義】悲嘆プロセス:自分にとって大切な一人またはそれ以上の対象の死を体験, あるいは予期した際に生ずる一連の情緒的反応. (C. カールソン) ユーモア:苦悩や落胆を味わった上で「にもかかわらず」笑いを忘れぬことこそ, 真の成熟したユ...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 4; pp. 285 - 287
Main Author 龍見美江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.07.2001
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ISSN1343-2826

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Summary:ターミナル期における家族の心理は, 癌患者がたどる心理過程と同じだと言われる. 今回余命3ヶ月と診断され, 家族の強い希望で告知せず, 真実を隠し通し4ヶ月の在宅療養の後, 在宅で看取ったキーパーソンの悲嘆プロセスを経験した. アルフォンスデーケンの悲嘆プロセスで分析したところ, クリスチャンでない家族においても「ユーモア」が見られたのでここに報告する. 【用語の定義】悲嘆プロセス:自分にとって大切な一人またはそれ以上の対象の死を体験, あるいは予期した際に生ずる一連の情緒的反応. (C. カールソン) ユーモア:苦悩や落胆を味わった上で「にもかかわらず」笑いを忘れぬことこそ, 真の成熟したユーモアである. (ドイツにおけるユーモアの定義)【研究方法】研究デザインは質的帰納的なアプローチによる記述的デザイン対象者:70歳の膵臓癌である父を在宅で看取った, キーパーソンである一人娘データ収集:在宅療養中の対象者に関するデータを参加観察法により情報収集し, 死別後二ヶ月, 死別後一年に半構成的なインタビューを行いデータ収集した.
ISSN:1343-2826