高齢者に対する運動療法の経験

「目的」高齢者の骨折を予防するためには, 転倒を予防することが大切である. 今回, 我々の施設で指導している3種類の体操を実施させ, その効果を運動力学的に評価することを目的とした. 「対象」60歳以上の女性67人におじぎ体操, しゃがみ込み体操, 片足立ち訓練を指導した. 体操開始前にKin-Comによる体幹筋力, Sybexによる大腿四頭筋, 重心動揺計, kyphometerによる円背の程度を測定した. また, 日常動作に関してADL表, QOLに関してSF36をアンケート調査した. 6カ月後再び測定を行い, 比較検討を行った. 「結果および考察」67人中6カ月体操を継続でき再度測定可能...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 6; p. 408
Main Authors 前澤靖久, 内田研造, 大森弘則, 彌山峰史, 吉澤今日子, 馬場久敏, 和田真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.06.2000
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」高齢者の骨折を予防するためには, 転倒を予防することが大切である. 今回, 我々の施設で指導している3種類の体操を実施させ, その効果を運動力学的に評価することを目的とした. 「対象」60歳以上の女性67人におじぎ体操, しゃがみ込み体操, 片足立ち訓練を指導した. 体操開始前にKin-Comによる体幹筋力, Sybexによる大腿四頭筋, 重心動揺計, kyphometerによる円背の程度を測定した. また, 日常動作に関してADL表, QOLに関してSF36をアンケート調査した. 6カ月後再び測定を行い, 比較検討を行った. 「結果および考察」67人中6カ月体操を継続でき再度測定可能であった46人について検討した. 体幹筋力の増加を67.4%に認めたが, 大腿四頭筋の筋力には有意な差は認めなかった. 筋力増加群のQOL評価では, vitalityが有意に高いスコアを呈した.
ISSN:0034-351X