尿崩症を合併した頸髄損傷の1例
脊損患者のリハビリテーションにおいて尿路管理は重要な課題である. 頸髄損傷に尿崩症を合併したために時間ごとの尿量にばらつきが出て間欠導尿の適応にならなかった症例を経験したので報告する. 症例は43歳, 男性. 平成7年4月1日, 駅の階段より転落して受傷, 第4頸髄不全損傷となった. 4月28日より多尿に対してピトレッシンの点鼻を開始した. 当院転院後の精査で, 水制限試験陽性, ピトレッシン負荷にて尿浸透圧・血漿浸透圧比が上昇し, 中枢性尿崩症と診断された. 7月6日より間欠導尿を開始したが, 1日尿量, 時間尿量とも不定で留置カテーテルに戻さざるをえなかった. 頸髄損傷に尿崩症を合併する理...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 33; no. 7; pp. 492 - 493 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.07.1996
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 脊損患者のリハビリテーションにおいて尿路管理は重要な課題である. 頸髄損傷に尿崩症を合併したために時間ごとの尿量にばらつきが出て間欠導尿の適応にならなかった症例を経験したので報告する. 症例は43歳, 男性. 平成7年4月1日, 駅の階段より転落して受傷, 第4頸髄不全損傷となった. 4月28日より多尿に対してピトレッシンの点鼻を開始した. 当院転院後の精査で, 水制限試験陽性, ピトレッシン負荷にて尿浸透圧・血漿浸透圧比が上昇し, 中枢性尿崩症と診断された. 7月6日より間欠導尿を開始したが, 1日尿量, 時間尿量とも不定で留置カテーテルに戻さざるをえなかった. 頸髄損傷に尿崩症を合併する理由として諸説いわれているが受傷時に頭部外傷を伴っている症例が多いと思われた. |
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ISSN: | 0034-351X |