同種骨髄移植時の血液型による生着モニタリングについて

造血器疾患にてHLA適合同種骨髄移植を施行した9例中ドナーとレシピエントのABO適合症例は7例, ABO不適合は2例であった. ABO不適合症例では, 血液型の変化と抗体の推移を検討することにより生着を確認しうる. 一方, 適合症例群では, 性別が異なる場合は染色体解析により生着を推論しうるがABO型が同一症例でも, minor blood group antigenの詳細な検討により移植片の生着を確認しうる症例がある. 今回, major mismatch症例, minor mismatch症例およびminor blood group antigenの異なるABO型同一症例につき, 血液型の...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 36; no. 1; p. 122
Main Authors 直原徹, 阿部信彦, 瀬戸一寿, 入江達朗, 川村憲一, 比嘉敏夫, 笠井正晴, 橋野聡, 藤本比沙雄, 小林正伸, 今村雅寛, 桜田恵右, 宮崎保, 中瀬俊枝, 池田久實, 関口定美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1990
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Summary:造血器疾患にてHLA適合同種骨髄移植を施行した9例中ドナーとレシピエントのABO適合症例は7例, ABO不適合は2例であった. ABO不適合症例では, 血液型の変化と抗体の推移を検討することにより生着を確認しうる. 一方, 適合症例群では, 性別が異なる場合は染色体解析により生着を推論しうるがABO型が同一症例でも, minor blood group antigenの詳細な検討により移植片の生着を確認しうる症例がある. 今回, major mismatch症例, minor mismatch症例およびminor blood group antigenの異なるABO型同一症例につき, 血液型の推移および抗体の出現等に関して, 骨髄移植後の臨床経過と併せて検討したので報告する.
ISSN:0546-1448