北里大学病院における新輸血オーダーシステム

当院では, 1994年4月よりクライアント/サーバー方式による輸血センターシステムを運用してきた. 最近, 輸血による医療事故の問題がクローズアップされ, また, 輸血療法適正化に関するガイドラインの改定を視野に置き, 新たな輸血オーダーシステムを開発したので報告する. 「新システムの概要」(1)現在稼動中のシステムにLANチャンネル接続装置を介して各病棟, 外来に設置のホスト機端末から発生源の輸血オーダーを可能とした. (2)患者の選択により循環血液量, 最新の検査結果, 同意書の有無など基本情報が表示される. (3)患者の血液型に関しては, 検査結果からデータを直接取り込み, オーダーミス...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 178
Main Authors 高野波留美, 小本美奈, 風間あきみ, 遠藤成子, 八木和世, 平田泰良, 大谷慎一, 小原邦義, 柿田章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2000
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:当院では, 1994年4月よりクライアント/サーバー方式による輸血センターシステムを運用してきた. 最近, 輸血による医療事故の問題がクローズアップされ, また, 輸血療法適正化に関するガイドラインの改定を視野に置き, 新たな輸血オーダーシステムを開発したので報告する. 「新システムの概要」(1)現在稼動中のシステムにLANチャンネル接続装置を介して各病棟, 外来に設置のホスト機端末から発生源の輸血オーダーを可能とした. (2)患者の選択により循環血液量, 最新の検査結果, 同意書の有無など基本情報が表示される. (3)患者の血液型に関しては, 検査結果からデータを直接取り込み, オーダーミスを防いだ. 一方患者の血液型とは異なる製剤のオーダーの可能性を配慮し警告表示を経てこの入力を可能とした. (4)輸血歴, 副作用歴の詳細を参照可能とした. (5)新システムの特徴としては, 手術時使用の場合, (1)T&S(2)MSBOS(3)SBOE(4)フリー入力の4区分の選択肢を設けた. 特にSBOEは術式における平均的な出血量を代入するだけで, 必要な単位数を計算し表示できるようにした. (6)疾患名, 術式などを登録終了後, ホスト端末からはオーダー控, 血液引換券及び検体採取指示ラペルが出力される. 同時に輸血センターにはオーダー票が出力され, 検査当日に必要な血液単位数の集計が行われる. (7)さらにオーダーした血液の状況を病棟側からも把握できるよう, 血液の準備完了後, ホスト端末でのオーダー参照画面を, 「出庫待・出庫済」と色で識別できるように工夫した. (8)在庫血以外の予約製剤の緊急オーダーに関しては警告画面を表示した. (9)その他最新輸血情報を発信する機能を設けた. 「おわりに」今後は血液が出庫された後の医療事故を防ぐために, ホスト端末において使用, 返却, 副作用情報の入力を可能とするシステム開発を予定している.
ISSN:0546-1448