骨肉腫に対する術前化学療法の効果判定
「目的」術前化学療法施行中の効果判定法として, いかなる所見が有用か検討を加えた. [方法]対象は, 1986年以降に当科で治療を行った骨肉腫症例, 計19計. 術前化療として, 10例にcisplatin動注, 9例に多剤併用全身化学療法(1991年以降)を施行. 化療効果判定は, 臨床所見, 血清Alp値, 画像所見などを指標とし, 摘出標本の組織学的壊死率と比較した. [結果]比較的壊死率と相関を示したのは, MRI画像上の骨外腫瘤縮小であり, 骨外腫瘤増大例はすべて組織学的PD例であったが, 組織学的CR例とPR例は区別できなかった. 血清Alp値もある程度指標となりうるが, 組織学的...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 2; pp. 638 - 639 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.1996
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「目的」術前化学療法施行中の効果判定法として, いかなる所見が有用か検討を加えた. [方法]対象は, 1986年以降に当科で治療を行った骨肉腫症例, 計19計. 術前化療として, 10例にcisplatin動注, 9例に多剤併用全身化学療法(1991年以降)を施行. 化療効果判定は, 臨床所見, 血清Alp値, 画像所見などを指標とし, 摘出標本の組織学的壊死率と比較した. [結果]比較的壊死率と相関を示したのは, MRI画像上の骨外腫瘤縮小であり, 骨外腫瘤増大例はすべて組織学的PD例であったが, 組織学的CR例とPR例は区別できなかった. 血清Alp値もある程度指標となりうるが, 組織学的PD, NC例でもある程度の下降を示した. 画像でshell化を示さないものは, 組織学的PD例の確率が高かった. 多剤併用全身化学療法群では, 薬剤の変更のために早期効果判定が必要であったが, 化療開始後早期の時点では画像(MRI, CT, 単純X線)での判断は困難であり, 臨床所見, Alp値での総合的判定を要した. cisplatin動注群では, 血管造影による評価を行ったが, vascularity早期消失例は組織学的CR, PR例, vascularity漸増例は組織学的PD例であり, 信頼できる評価法であった. |
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ISSN: | 0037-1033 |