PROLENE Hernia System®を使用した再発腹壁瘢痕ヘルニアの1手術例

症例は61歳,女性.既往歴として31歳時の腹部刺創と36歳, 43歳時の2回の腹壁瘢痕ヘルニア手術がある. 10年前から腹壁瘢痕ヘルニアの再発を認めていたが放置していた.平成15年12月嘔吐,腹痛が出現し当院を受診した.理学的所見,画像所見から腹壁瘢痕ヘルニアによるイレウスと診断し,入院となった.腸管壊死の徴候はなく経過観察していたが,イレウスが改善しないため,手術を施行した.ヘルニア門は3箇所あり,各々直径8cm, 4cm, 3cmであった.ヘルニア内容物は腸管であったが壊死は認めなかった.イレウスの原因は腸管の癒着であった.ヘルニア門をPROLENE Hernia System® (PHS...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 2; pp. 529 - 532
Main Authors 田尻, 孝, 秋谷, 行宏, 長澤, 重直, 吉村, 和泰, 池田, 研吾, 吉安, 正行
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2005
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.529

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Summary:症例は61歳,女性.既往歴として31歳時の腹部刺創と36歳, 43歳時の2回の腹壁瘢痕ヘルニア手術がある. 10年前から腹壁瘢痕ヘルニアの再発を認めていたが放置していた.平成15年12月嘔吐,腹痛が出現し当院を受診した.理学的所見,画像所見から腹壁瘢痕ヘルニアによるイレウスと診断し,入院となった.腸管壊死の徴候はなく経過観察していたが,イレウスが改善しないため,手術を施行した.ヘルニア門は3箇所あり,各々直径8cm, 4cm, 3cmであった.ヘルニア内容物は腸管であったが壊死は認めなかった.イレウスの原因は腸管の癒着であった.ヘルニア門をPROLENE Hernia System® (PHS)を用いて閉鎖した.腹壁が広範囲に脆弱であったため,さらに全体をPROLENE Mesh®で覆い,修復した.再発した腹壁瘢痕ヘルニアに対し, PHSを使用した手術を行い,経過良好であった1例を経験したので,報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.529