組織化学的γ-glutamyl transpeptidase反応による肝前癌性病変の検索

肝の実験的発癌において,前癌性病変と考えられている酵素変異増殖巣が,人の肝でも存在するか否かを検討するため,剖検および手術で得られた肝121例(肝硬変合併肝癌34例,肝硬変18例,慢性肝炎20例,その他49例)の最大割面スライスについて,組織化学的γ-glutamyl transpeptidase (γ-GTP)反応を行った. その結果4例(肝硬変合併肝癌2例,慢性肝炎1例,その他1例)に酵素変異病巣計7個を見い出した.これらの酵素変異病巣のγ-GTP反応は,陽性6個,陰性1個であった. 組織化学的γ-GTP反応は,人の肝癌及びその前癌性病変の検索に補助的有用性が考えられた....

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Published in肝臓 Vol. 27; no. 5; pp. 591 - 598
Main Authors 東迎, 高意, 千原, 忠男, 古谷, 敬三, 金村, 章, 大塚, 久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.05.1986
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.27.591

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Summary:肝の実験的発癌において,前癌性病変と考えられている酵素変異増殖巣が,人の肝でも存在するか否かを検討するため,剖検および手術で得られた肝121例(肝硬変合併肝癌34例,肝硬変18例,慢性肝炎20例,その他49例)の最大割面スライスについて,組織化学的γ-glutamyl transpeptidase (γ-GTP)反応を行った. その結果4例(肝硬変合併肝癌2例,慢性肝炎1例,その他1例)に酵素変異病巣計7個を見い出した.これらの酵素変異病巣のγ-GTP反応は,陽性6個,陰性1個であった. 組織化学的γ-GTP反応は,人の肝癌及びその前癌性病変の検索に補助的有用性が考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.27.591