重症肝疾患に合併した軟部組織膿瘍の臨床的検討

1990年から1998年までに肝疾患の経過中に合併した軟部組織膿瘍を11例経験した. これらの症例について臨床的に検討した. 11例の肝疾患はいずれも非代償期で腹水もしくは肝性脳症がみられ, 肝疾患自身が予後不良の状態と考えられた. 膿瘍の部位は下腿が4例, 腸腰筋が2例. 大腿, 腹壁, 小脳, 眼球, 心嚢が各1例であった. 疼痛の訴えがなく膿瘍の診断に時間を要した症例が存在した. 大腿膿瘍症例と腸腰筋膿瘍の1例は短期間の経過でDICとなり死亡した. 軟部組織膿瘍は重症肝疾患の注意すべき合併症である....

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Published in肝臓 Vol. 42; no. 7; pp. 342 - 347
Main Authors 高松, 正人, 古武, 昌幸, 比佐, 岳史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.07.2001
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.42.342

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Summary:1990年から1998年までに肝疾患の経過中に合併した軟部組織膿瘍を11例経験した. これらの症例について臨床的に検討した. 11例の肝疾患はいずれも非代償期で腹水もしくは肝性脳症がみられ, 肝疾患自身が予後不良の状態と考えられた. 膿瘍の部位は下腿が4例, 腸腰筋が2例. 大腿, 腹壁, 小脳, 眼球, 心嚢が各1例であった. 疼痛の訴えがなく膿瘍の診断に時間を要した症例が存在した. 大腿膿瘍症例と腸腰筋膿瘍の1例は短期間の経過でDICとなり死亡した. 軟部組織膿瘍は重症肝疾患の注意すべき合併症である.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.42.342