スズメバチ刺傷によるアナフィラキシー様ショック症例の血漿中ヒスタミンとセロトニンの推移

スズメバチ刺傷によりショックを来した症例を経験した。症例は62歳,男性。スズメバチに体幹,四肢を18ヵ所刺され,意識障害を主訴に当院救命救急センターに搬送された。入室後エピネフリン投与,輸液負荷で全身状態は安定し,第4病日には退院した。患者はハチ刺傷の既往があったが,今回のショックの原因はIgE(immunoglobulin E)値の上昇を認めなかったこと,刺傷数が少なかったことによりアナフィラキシー様反応によるものと考えられた。本症例ではショックの原因物質検索のために血漿中ヒスタミン,セロトニン,およびその代謝産物の5-HIAAを経時的に測定し,ヒスタミンと5-HIAAの上昇が認められた。以...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 11; no. 4; pp. 449 - 453
Main Authors 前川, 剛志, 金田, 浩太郎, 宮内, 崇, 鶴田, 良介, 岡林, 清司, 笠岡, 俊志, 金子, 唯, 小田, 泰崇
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 01.10.2004
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ISSN1340-7988
1882-966X
DOI10.3918/jsicm.11.449

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Summary:スズメバチ刺傷によりショックを来した症例を経験した。症例は62歳,男性。スズメバチに体幹,四肢を18ヵ所刺され,意識障害を主訴に当院救命救急センターに搬送された。入室後エピネフリン投与,輸液負荷で全身状態は安定し,第4病日には退院した。患者はハチ刺傷の既往があったが,今回のショックの原因はIgE(immunoglobulin E)値の上昇を認めなかったこと,刺傷数が少なかったことによりアナフィラキシー様反応によるものと考えられた。本症例ではショックの原因物質検索のために血漿中ヒスタミン,セロトニン,およびその代謝産物の5-HIAAを経時的に測定し,ヒスタミンと5-HIAAの上昇が認められた。以上より本症例のショック症状にはヒスタミン,セロトニンの関与が考えられた。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.11.449