腫瘤先行性granulocytic sarcomaの1例
症例は37才,女性.右鼠径部腫瘤の精査治療を目的として入院した.同部腫瘤の生検で悪性リンパ腫(lymphoblastic type)と診断され化学療法を行った.発症24カ月後に胃粘膜下腫瘍が出現し,同部の生検および初発時腫瘤の細胞生化学的な検索によりgranu1ocytic sarcomaと判明した.初発時の骨髄および末梢血に白血病を示す幼若細胞の出現がないことより腫瘤先行性granulocytic sarcomaと診断し,さらに再発時の芽球がペルオキシダーゼ陽性,表面マーカー上myeloid系であることを証明した.今回腫瘤先行性granulocytic sarcomaのまれな1例を報告し,生...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 6; pp. 840 - 841 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.06.1989
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.78.840 |
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Summary: | 症例は37才,女性.右鼠径部腫瘤の精査治療を目的として入院した.同部腫瘤の生検で悪性リンパ腫(lymphoblastic type)と診断され化学療法を行った.発症24カ月後に胃粘膜下腫瘍が出現し,同部の生検および初発時腫瘤の細胞生化学的な検索によりgranu1ocytic sarcomaと判明した.初発時の骨髄および末梢血に白血病を示す幼若細胞の出現がないことより腫瘤先行性granulocytic sarcomaと診断し,さらに再発時の芽球がペルオキシダーゼ陽性,表面マーカー上myeloid系であることを証明した.今回腫瘤先行性granulocytic sarcomaのまれな1例を報告し,生検腫瘤の細胞化学的検索の重要性を強調した. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.78.840 |