自己抗体を有する水疱性皮膚疾患3例に対する血漿交換療法の有効性
自己抗体を有する水疱性皮膚疾患(尋常性天疱瘡:PV2例, 水疱性類天疱瘡:BP1例)に対する血漿交換療法(double-filtration plasmapheresis: DFPP)の有効性を検討した。症例1(38歳, 男, PV), 症例3(46歳, 女, BP)はステロイド抵抗性のため, 症例2(49歳, 女, PV)はステロイド減量を目的としてDFPPを施行した。 症例1, 3ではDFPP開始数日より皮疹が改善し, 症例2ではステロイドの減量が可能であったが, 急速なステロイド減量により増悪を生じた。症例1, 2において, DFPP施行前後で血中抗体価の低下がみられたが, 長期的には血...
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Published in | 人工臓器 Vol. 16; no. 2; pp. 1082 - 1084 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.04.1987
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.16.1082 |
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Summary: | 自己抗体を有する水疱性皮膚疾患(尋常性天疱瘡:PV2例, 水疱性類天疱瘡:BP1例)に対する血漿交換療法(double-filtration plasmapheresis: DFPP)の有効性を検討した。症例1(38歳, 男, PV), 症例3(46歳, 女, BP)はステロイド抵抗性のため, 症例2(49歳, 女, PV)はステロイド減量を目的としてDFPPを施行した。 症例1, 3ではDFPP開始数日より皮疹が改善し, 症例2ではステロイドの減量が可能であったが, 急速なステロイド減量により増悪を生じた。症例1, 2において, DFPP施行前後で血中抗体価の低下がみられたが, 長期的には血中抗体価の推移と病勢は並行せず, 血中抗体価によるDFPPの定量的効率評価はできなかった。 以上より, 血漿交換療法は自己抗体を有する水疱性皮膚疾患のステロイドの補助療法として有効と考えられたが, ステロイド減量と血中抗体価の評価には注意を要すと思われた。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.16.1082 |