悪臭に関する研究 (第3報) ガスクロマトグラフィー質量分析計による廃棄物浸出水中の揮発性成分の検索
固体廃棄物より発生する悪臭の成分を明らかにするために, 固体廃棄物から出る浸出水中の揮発性成分をGC-MSを用いて分析同定した。試料は実際の清掃工場の浸出水と, 実験室で食品を腐敗させた浸出水を対比して分析した。フィールドの試料については夏期冬期を比較した。以下のことが明らかになった。 1) 人工試料について溶媒抽出法とパージ法を比較したが, 同定化合物は両者がほぼ一致した。 2) 人工試料の浸出水からは中性成分として, アルコール, エステル, テルペン等が同定された。これらはヘッドスペース法によるガス中の成分とよく一致した。 3) 清掃工場の浸出水からは中性成分として, 夏期にはアルコール...
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Published in | 大気汚染学会誌 Vol. 17; no. 3; pp. 204 - 214 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
公益社団法人 大気環境学会
20.07.1982
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ISSN | 0386-7064 2186-3695 |
DOI | 10.11298/taiki1978.17.204 |
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Summary: | 固体廃棄物より発生する悪臭の成分を明らかにするために, 固体廃棄物から出る浸出水中の揮発性成分をGC-MSを用いて分析同定した。試料は実際の清掃工場の浸出水と, 実験室で食品を腐敗させた浸出水を対比して分析した。フィールドの試料については夏期冬期を比較した。以下のことが明らかになった。 1) 人工試料について溶媒抽出法とパージ法を比較したが, 同定化合物は両者がほぼ一致した。 2) 人工試料の浸出水からは中性成分として, アルコール, エステル, テルペン等が同定された。これらはヘッドスペース法によるガス中の成分とよく一致した。 3) 清掃工場の浸出水からは中性成分として, 夏期にはアルコールが圧倒的に多く, 冬期にはアルコール, 硫黄化合物, ケトン, 芳香族炭化水素等が同定された。 4) 脂肪酸については人工試料ではC8まで, フィールドの試料の夏期にはC8まで, 冬期にはC6までの酸が同定定量された。濃度的には夏期は冬期より1,000倍高かった。5) ごみ浸出水の悪臭は脂肪酸とアルコールが関与していると考えられる。 |
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ISSN: | 0386-7064 2186-3695 |
DOI: | 10.11298/taiki1978.17.204 |