腫瘍マーカーCA 19-9およびCA 125の消化器疾患における臨床的意義 特に膵癌, 胆道癌診断の有用性について

CA 19-9およびCA125の血清値およびCA 19-9の胆汁中値を測定し, その臨床的有用性について検討した. 対象は消化器系を中心とした悪性疾患232例, 良性疾患113例である. CA 19-9は悪性疾患の中でも特に膵癌において86% (25/29), 胆道癌で60% (15/25) と高い陽性率を示した. 良性疾患では7% (7/102) と陽性率が低く, さらに膵炎では8% (3/40) と陽性率が低く膵癌との鑑別に有用と考えられる. CA 125は膵癌で62% (18/29), 胆道癌で56% (13/24) と高い陽性率を示し, 良性疾患では6% (4/70) が陽性であった....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 18; no. 7; pp. 1687 - 1692
Main Authors 吉村, 龍太, 芳賀, 克夫, 江上, 寛, 酒本, 喜與志, 赤木, 正信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.07.1985
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Summary:CA 19-9およびCA125の血清値およびCA 19-9の胆汁中値を測定し, その臨床的有用性について検討した. 対象は消化器系を中心とした悪性疾患232例, 良性疾患113例である. CA 19-9は悪性疾患の中でも特に膵癌において86% (25/29), 胆道癌で60% (15/25) と高い陽性率を示した. 良性疾患では7% (7/102) と陽性率が低く, さらに膵炎では8% (3/40) と陽性率が低く膵癌との鑑別に有用と考えられる. CA 125は膵癌で62% (18/29), 胆道癌で56% (13/24) と高い陽性率を示し, 良性疾患では6% (4/70) が陽性であった. CA 19-9とCA125は互いに独立した腫瘍マーカーであり, それらを同時に測定することにより, 特に膵癌97%, 胆道癌75%と診断率が向上することが判明した.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.18.1687