腸間膜孤立性線維性腫瘍に後腹膜脂肪肉腫が合併した1例

孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor; SFT)は1931年に記載された稀な腫瘍で,現在では中皮下の間葉系細胞由来と考えられている.われわれは横行結腸間膜に発生したSFTと後腹膜脂肪肉腫が合併した極めて稀な1例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は70歳,女性.平成14年4月腹部CTで脂肪成分を主体とする後腹膜巨大腫瘍を認めた.腫瘍は辺縁部に脂肪を含まない境界明瞭な腫瘤を伴っていた.脱分化型脂肪肉腫の診断で手術を施行した.脾曲部結腸の後腹膜内腎前筋膜上に境界比較的明瞭な脂肪様腫瘍と横行結腸間膜内に境界明瞭な軟部腫瘍を認めたため切除した.後腹膜腫瘍は18cm大の...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 3; pp. 822 - 827
Main Authors 青木, 利明, 佐口, 徹, 望月, 眞, 深沢, 雄一, 高木, 眞人, 冨岡, 英則
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.03.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.822

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Summary:孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor; SFT)は1931年に記載された稀な腫瘍で,現在では中皮下の間葉系細胞由来と考えられている.われわれは横行結腸間膜に発生したSFTと後腹膜脂肪肉腫が合併した極めて稀な1例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は70歳,女性.平成14年4月腹部CTで脂肪成分を主体とする後腹膜巨大腫瘍を認めた.腫瘍は辺縁部に脂肪を含まない境界明瞭な腫瘤を伴っていた.脱分化型脂肪肉腫の診断で手術を施行した.脾曲部結腸の後腹膜内腎前筋膜上に境界比較的明瞭な脂肪様腫瘍と横行結腸間膜内に境界明瞭な軟部腫瘍を認めたため切除した.後腹膜腫瘍は18cm大の黄色脂肪性腫瘍で高分化脂肪肉腫と診断した.横行結腸間膜腫瘍は6cm大の被膜のある白色腫瘍で紡錘形腫瘍細胞の増殖を認め, CD34(+)であることからSFTと診断した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.822