TIPSS施行後のTIPSS路と門脈の閉塞の治療にD-BRTOが有効であった孤立性胃静脈瘤合併肝硬変の1例

肝硬変(LC)による孤立性胃静脈瘤(Lg-f)に対する治療法として近年Transjugular Intrahepatic Portosystemic Stent Shunt (TIPSS)に加え,Balloon occluded retrograde transvenous obliteration (BRTO)も行われている.我々はLg-fの治療のために実施したTIPSS後に発生したTIPSS路と門脈(PV)の閉塞にBRTOが有効であった1例を経験したので報告する.症例は68歳,女性.肝硬変症.Lg-fに対してTIPSS施行後,TIPSS路とPVの閉塞,Lg-fの再燃をきたし,DSAではPV...

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Published in肝臓 Vol. 37; no. 8; pp. 447 - 455
Main Authors 石井, 誠, 本田, 実, 梅田, 知幸, 米山, 啓一郎, 三田村, 圭二, 三上, 哲弥, 石川, 晶久, 西田, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.08.1996
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.37.447

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Summary:肝硬変(LC)による孤立性胃静脈瘤(Lg-f)に対する治療法として近年Transjugular Intrahepatic Portosystemic Stent Shunt (TIPSS)に加え,Balloon occluded retrograde transvenous obliteration (BRTO)も行われている.我々はLg-fの治療のために実施したTIPSS後に発生したTIPSS路と門脈(PV)の閉塞にBRTOが有効であった1例を経験したので報告する.症例は68歳,女性.肝硬変症.Lg-fに対してTIPSS施行後,TIPSS路とPVの閉塞,Lg-fの再燃をきたし,DSAではPV本幹からTIPSS路の閉塞を認めた.胃腎短絡路(GR-S)形成による門脈血流の減少によりPVとTIPSS路の閉塞をきたしたと推測された.GR-S血流をPV本幹,TIPSS路方向に変更し,PVの再疎通とLg-fの改善を目的にTIPSS路とGR-SからDouble BalloonによるBRTO (D-BRTO)とTIPSS路のPercutaneous Transluminal Angioplasty (PTA)を施行した.D-BRTO施行後,Lg-fは改善しPV本幹も再疎通し合併症も認められなかった.Lg-fに対するTIPSS施行後に発生したPV, TIPSS路の閉塞の再疎通にD-BRTOは合併症も少なく有用であった.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.37.447