分岐鎖アミノ酸顆粒投与の肝アシアロシンチ (99mTc-GSA), 総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比 (BTR) に及ぼす影響
肝硬変患者の肝予備能に対する分岐鎖アミノ酸顆粒 (BCAA-G) 投与の影響を検討した. すなわち, 肝硬変患者 (肝癌合併例を含む) にBCAA-Gを投与し, 前後に従来の肝機能検査に加えて, レセプターを介した取り込みという新しい観点から肝予備能評価が可能な肝アシアロシンチ (Technetium-99m-Galactosyl Human Serum Albumin Liver Scintigraphy; 99mTc-GSA) 及び総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比 (BTR) を測定し, 自他覚症状もあわせて解析した. BCAA-Gの投与により, 血清アルブミン濃度・赤血球数・ChE値・プ...
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Published in | 肝臓 Vol. 41; no. 7; pp. 474 - 483 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
25.07.2000
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.41.474 |
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Summary: | 肝硬変患者の肝予備能に対する分岐鎖アミノ酸顆粒 (BCAA-G) 投与の影響を検討した. すなわち, 肝硬変患者 (肝癌合併例を含む) にBCAA-Gを投与し, 前後に従来の肝機能検査に加えて, レセプターを介した取り込みという新しい観点から肝予備能評価が可能な肝アシアロシンチ (Technetium-99m-Galactosyl Human Serum Albumin Liver Scintigraphy; 99mTc-GSA) 及び総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比 (BTR) を測定し, 自他覚症状もあわせて解析した. BCAA-Gの投与により, 血清アルブミン濃度・赤血球数・ChE値・プロトロンビン時間 (%) の有意な増加を認め, また, BTRも上昇した. さらに肝予備能の鋭敏な指標である99mTc-GSAでは, BCAA-G投与前のLHL15値がより低い症例ほどその改善度は高かった. 以上より, 肝硬変患者に対するBCAA-Gの投与により栄養学的効果のほかに, 肝予備能の改善効果をも期待できるものと考えられた. また, その効果は投与前のLHL15値がより低い症例においてより明らかであった. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.41.474 |