心臓ショックで発症し心筋梗塞を思わせた好酸球性心筋炎の1例

心筋梗塞を思わせる心臓ショックで発症した,過好酸球増加症候群に伴う好酸球性心筋炎の早期に,心内膜心筋生検を行ない得たので報告する.症例は44才,女性. 3~4年前より気管支炎様症状あり.昭和58年6月,呼吸困難,全身の痛みにて入院.ショック症状,心筋逸脱酵素の上昇,心電図所見より,初め心筋梗塞を疑われたが, 6カ月前よりの好酸球増加および多彩な全身症状,発症3週後の右心室心内膜心筋生検での広範な心筋脱落と線維化および少数の好酸球浸潤,発症5週後の冠動脈造影像が正常なことより,好酸球性心筋炎と診断した. prednisolone投与により軽快し経過良好であるが,今後の推移については注意深く観察し...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 75; no. 3; pp. 388 - 394
Main Authors 山口, 悦男, 山本, 裕久, 高瀬, 真一, 鈴木, 忠, 村田, 和彦, 杉山, 雅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.03.1986
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Summary:心筋梗塞を思わせる心臓ショックで発症した,過好酸球増加症候群に伴う好酸球性心筋炎の早期に,心内膜心筋生検を行ない得たので報告する.症例は44才,女性. 3~4年前より気管支炎様症状あり.昭和58年6月,呼吸困難,全身の痛みにて入院.ショック症状,心筋逸脱酵素の上昇,心電図所見より,初め心筋梗塞を疑われたが, 6カ月前よりの好酸球増加および多彩な全身症状,発症3週後の右心室心内膜心筋生検での広範な心筋脱落と線維化および少数の好酸球浸潤,発症5週後の冠動脈造影像が正常なことより,好酸球性心筋炎と診断した. prednisolone投与により軽快し経過良好であるが,今後の推移については注意深く観察していきたい.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.75.388