アルメイダ病院における血小板輸血の現状

〔目的〕当院は医師会立であり, 一般病院とはやや趣が異なり救急病院でもあるため, 重症患者が多いという特色を持っている. 前年の本学会において「アルメイダ病院の輸血の現状」について報告した. 今回血小板輸血に関して当院の現状をあきらかにしたいと考えた. 〔方法〕患者使用の血液製剤管理がコンピューター入力出来るようになった1992年12月から1994年9月までの22ヶ月間を対照とし, 血小板の輸血回数, 輸血単位数, 疾患名及び輸血前, 輸血後の血小板数を調べた. 〔結果〕上記期間に輸血を受けた患者総数は凍結血漿のみの者も含め856名であり, その内5単位以上の血小板製剤の輸血を受けた者は209...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 6; p. 1021
Main Authors 伊藤みどり, 菅文子, 村上千恵, 河野淳子, 細井謙一, 工藤真美, 梶原富士子, 伊東佳子, 佐分利能生, 利光昭次, 前田宏明, 廣田清司, 宮崎重武, 財前良行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1994
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ISSN0546-1448

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Summary:〔目的〕当院は医師会立であり, 一般病院とはやや趣が異なり救急病院でもあるため, 重症患者が多いという特色を持っている. 前年の本学会において「アルメイダ病院の輸血の現状」について報告した. 今回血小板輸血に関して当院の現状をあきらかにしたいと考えた. 〔方法〕患者使用の血液製剤管理がコンピューター入力出来るようになった1992年12月から1994年9月までの22ヶ月間を対照とし, 血小板の輸血回数, 輸血単位数, 疾患名及び輸血前, 輸血後の血小板数を調べた. 〔結果〕上記期間に輸血を受けた患者総数は凍結血漿のみの者も含め856名であり, その内5単位以上の血小板製剤の輸血を受けた者は209名24.4%であった. 血小板輸血者を回数別に見ると, 1回のみの輸血者は58名27.8%であり, 2回から5回までの輸血者は68名32.5%であった. 6回以上の輸血者は83名39.7%であり, その内の8名3.8%は20回以上の輸血を行っており血小板輸血総単位数は250単位から920単位であった. 輸血前の血小板数は1回輸血者で平均3.36万/μl, 2回以上の輸血者で平均2.73万/μlであり, その内20回以上輸血を行った8名の平均は1.26万/μlであった. 輸血回数の多い者は血液疾患を含めた悪性疾患が多く, 20回以上の血小板輸血を行った患者は全て血液疾患であった. 〔考察〕今回, 血小板輸血の現状をあきらかにしたが当院においては血小板製剤の適性使用について言われている血小板数2~5万/μlをおおむね順守していると思われた. 当院が救急病院であることから緊急輸血も多く見られたが, 輸血回数の多いものには血液疾患, 悪性腫瘍が多く, 当院での重症患者の割合の多さを反映しているものと考えられた.
ISSN:0546-1448