超音波骨折治療器SAFH2000を用いた難治性骨折の治療経験
「目的」遷延癒合, 偽関節といった難治性骨折に対する低出力超音波治療器SAFHS2000の効果を検討した. 「対象」受傷後あるいは手術後3カ月以上経過して骨癒合の見られない遷延癒合, 偽関節22例23骨折(SAFHS使用までの期間3カ月~3年2カ月)に対し低出力超音波治療器SAFHS2000を使用した. 「結果」鎖骨6例(手術例4例, 保存例2例), 上腕骨1例(手術例1例), 前腕骨3例(手術例3例), 指骨1例(手術例1例), 大腿骨6例(手術例6例), 下腿骨3例(手術例1例, 保存例2例), 骨盤1例(手術例1例), 腰椎2例(保存例2例)のうち鎖骨の手術例2例, 下腿骨の保存的治療例...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 37; no. 11; p. 878 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.2000
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 「目的」遷延癒合, 偽関節といった難治性骨折に対する低出力超音波治療器SAFHS2000の効果を検討した. 「対象」受傷後あるいは手術後3カ月以上経過して骨癒合の見られない遷延癒合, 偽関節22例23骨折(SAFHS使用までの期間3カ月~3年2カ月)に対し低出力超音波治療器SAFHS2000を使用した. 「結果」鎖骨6例(手術例4例, 保存例2例), 上腕骨1例(手術例1例), 前腕骨3例(手術例3例), 指骨1例(手術例1例), 大腿骨6例(手術例6例), 下腿骨3例(手術例1例, 保存例2例), 骨盤1例(手術例1例), 腰椎2例(保存例2例)のうち鎖骨の手術例2例, 下腿骨の保存的治療例1例を除いた20例に骨癒合が認められ, 6~44週(平均16.2週)の使用で87%の骨癒合率が得られた. 「考察」1日1回20分という短時間の使用で従来の電気刺激による方法よりも高い有効性が認められた. 電気刺激におけるような皮膚障害や部分的な体温上昇の問題もなく, また内固定材料の有無にかかわらず使用できること等利点が多く, 遷延癒合, 偽関節といった難治性骨折に対して従来の電気刺激を中心とした方法よりも優れていることが示唆された. また現在は保険診療上, 上記の難治性骨折のみに適応が認められているが, 新鮮骨折および骨折が病態の基礎にあると考えられるものに対して, 大いに治療効果が期待され得るものである. |
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ISSN: | 0034-351X |