青森県における労働形態別の血圧と飲酒習慣について

青森県で実施された食塩摂取状況調査の資料をもとに, 労働形態別に飲酒習慣と血圧の関連を検討した結果, 若干の知見が得られたので報告する. 〔対象および方法〕無作為に抽出した40歳以上70歳未満の青森県男女住民を対象とした. 対象者数は, 各市町村の人口規模に応じて50~300の5階級とし, 総計5,750名を目標とした. 調査項目は, 身長, 体重, 血圧を測定するとともに, 濾紙法による尿試料の採取を実施した. 同時にアンケート調査を実施した. その内容は嗜好に関するものと食塩摂取傾向に関するものであった. 職業は, 常用労働者, 日雇労働者, 勤労職員, 自営業, 農業, 漁夫, 自由業の...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 38; no. 6; p. 272
Main Authors 三上聖治, 竹森幸一, 仁平將
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.1996
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Summary:青森県で実施された食塩摂取状況調査の資料をもとに, 労働形態別に飲酒習慣と血圧の関連を検討した結果, 若干の知見が得られたので報告する. 〔対象および方法〕無作為に抽出した40歳以上70歳未満の青森県男女住民を対象とした. 対象者数は, 各市町村の人口規模に応じて50~300の5階級とし, 総計5,750名を目標とした. 調査項目は, 身長, 体重, 血圧を測定するとともに, 濾紙法による尿試料の採取を実施した. 同時にアンケート調査を実施した. その内容は嗜好に関するものと食塩摂取傾向に関するものであった. 職業は, 常用労働者, 日雇労働者, 勤労職員, 自営業, 農業, 漁夫, 自由業の7区分とした. 嗜好に関するアンケートの内容は, 酒については, 1.飲酒しない, 2.ときどき飲酒する, 3.毎日飲酒する, の3区分とし, タバコについては, 1.吸わない, 2.1日1~9本, 3.10本以上, の3区分とした. 血圧を目的変数にして, 身体状況, 飲酒習慣, 喫煙習慣, 塩類排泄状況, 食塩摂取傾向を説明変数として段階式重回帰分析を実施した結果, 各年代の男性において, 最高血圧, 最低血圧ともに, 飲酒習慣が最初の変数に採用されたので, 男性の労働形態別に飲酒習慣と血圧の関連を検討した. 〔結果〕目標に対しての実施率は94%であった. 職業区分の内, 日雇労働者, 漁夫, 自由業については割合が少なかったので, 集計しなかった. 女性については, 飲酒習慣の割合が少なかったので検討しなかった. 60代の自営業を除いては, 各年代, 各職業ともに毎日飲酒群が多かった. 毎日飲酒群は, 50代の自営業, 60代の勤労職員を除いては他の群より最高血圧平均値が高い傾向が認められた.
ISSN:1341-0725
1349-533X