ヒト血清中におけるABO抗原分解酵素について

目的:ABO式血液型は, 抗原糖鎖末端の1種類の六炭糖のみが異ることにより, その特異性を発揮している. そしてヒト血清中には, 血液型特異的にこれら糖類を転移させ, その特異性を発揮させる転移酵素が存在する. また転移酵素とはまったく正反対に, ABO式血液型決定糖類を切り放し, その特異性を失わせてしまう分解酵素は, 細菌や植物, 動物などの諸臓器に見つかっており, またヒトでは肝細胞中Lysosome分画に存在する. これら分解酵素, α-N-Acetyl-galactosaminidase, α-D-galactosidase, α-L-fucosidaseについて, ヒト血清中におけ...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 19 - 21
Main Authors 中村嘉彦, 小林信昌, 小島ひとみ, 久保多恵子, 木野村千恵, 渡辺克仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.03.1985
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ISSN0546-1448

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Summary:目的:ABO式血液型は, 抗原糖鎖末端の1種類の六炭糖のみが異ることにより, その特異性を発揮している. そしてヒト血清中には, 血液型特異的にこれら糖類を転移させ, その特異性を発揮させる転移酵素が存在する. また転移酵素とはまったく正反対に, ABO式血液型決定糖類を切り放し, その特異性を失わせてしまう分解酵素は, 細菌や植物, 動物などの諸臓器に見つかっており, またヒトでは肝細胞中Lysosome分画に存在する. これら分解酵素, α-N-Acetyl-galactosaminidase, α-D-galactosidase, α-L-fucosidaseについて, ヒト血清中における活性の有無及び性状を調べ, 骨髄移植例における活性変動の検索を行ったので報告する.
ISSN:0546-1448