交代制勤務と虚血性心疾患の危険因子

この研究は交代制勤務と虚血性心疾患の危険因子に関連があるかどうかを明らかにすることを目的とした. 対象者は交代勤務者60名, 日勤者239名の男子職員計299名であった. 平均年齢は33.1(SD=7.1)歳で, 3群に有意な差はなかった. 検診時に, 総コレステロール, 中性脂肪, 血圧, 肥満度, 日常の生活習慣等を測定した. 血中総コレステロール値は, 三交代勤務群, 二交代勤務群, 対照群でそれぞれ220.2(SD=46.2)mg/dl, 185.8(SD=39.1)mg/dl, 192.4(SD=36.9)mg/dlで三交代勤務群と他の2群に有意差がみられた(p<0.05)....

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 39; no. 1; p. 55
Main Authors 中村和利, 山本正治, 田中正敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.1997
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Summary:この研究は交代制勤務と虚血性心疾患の危険因子に関連があるかどうかを明らかにすることを目的とした. 対象者は交代勤務者60名, 日勤者239名の男子職員計299名であった. 平均年齢は33.1(SD=7.1)歳で, 3群に有意な差はなかった. 検診時に, 総コレステロール, 中性脂肪, 血圧, 肥満度, 日常の生活習慣等を測定した. 血中総コレステロール値は, 三交代勤務群, 二交代勤務群, 対照群でそれぞれ220.2(SD=46.2)mg/dl, 185.8(SD=39.1)mg/dl, 192.4(SD=36.9)mg/dlで三交代勤務群と他の2群に有意差がみられた(p<0.05). また, 三交代勤務群では腹囲/臀囲比の値が他の2群より有意に大きかった(p<0.05). 上記の関連性は, 生活習慣などをコントロールした多変量解析においても認められた. 三交代勤務は, 総コレステロール値の上昇, 中心性肥満の傾向を促すことが示唆された.
ISSN:1341-0725
1349-533X