化学療法に低出力レーザー照射を併用した肺腺癌の2例

<目的> 肺腺癌に対する化学療法単独の有効性は低く, 放射線照射の併用が成績の向上に寄与してきた. しかしながら放射線照射には間質性肺炎の併発等問題点も少なくない. 今回我々は抗癌剤に低出力レーザー照射を併用した2例を経験したので報告する. <症例-1> 72歳男性, 平成9年肺癌の診断にて右肺上葉切除術を施行した. 病理病期はT2NOMO;stage IBであった. 平成11年1月, 左主気管支を中心に計5ヶ所の中心型腺癌病巣が認められた. 手術・PDTの適応無く, 気管支鏡下He-Neレーザー(6J/センチ平方メートル)照射及び抗癌剤投与(CDDP,VDS)を2回施行した結果, 腫瘍の90...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 20; no. 3; p. 289
Main Authors 似鳥純一, 島谷英明, 奥仲哲弥, 山本秀樹, 古川欣也, 小中千守, 加藤治文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 28.09.1999
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Summary:<目的> 肺腺癌に対する化学療法単独の有効性は低く, 放射線照射の併用が成績の向上に寄与してきた. しかしながら放射線照射には間質性肺炎の併発等問題点も少なくない. 今回我々は抗癌剤に低出力レーザー照射を併用した2例を経験したので報告する. <症例-1> 72歳男性, 平成9年肺癌の診断にて右肺上葉切除術を施行した. 病理病期はT2NOMO;stage IBであった. 平成11年1月, 左主気管支を中心に計5ヶ所の中心型腺癌病巣が認められた. 手術・PDTの適応無く, 気管支鏡下He-Neレーザー(6J/センチ平方メートル)照射及び抗癌剤投与(CDDP,VDS)を2回施行した結果, 腫瘍の90%が消失した. <症例-2> 70歳男性, 右下葉の腺癌症例で腫瘍の圧迫による気道狭窄の為, 閉塞性肺炎を併発していた. 臨床病期はT4N3MO;stage IIIBであった. 症例1と同様にHe-Neレーザー照射下にて化学療法(CBDCA,VDS)を2回施行した. 胸部レントゲン上腫瘍陰影は著明に縮小し, 気道狭窄は改善された.
ISSN:0288-6200