Temporary transarticular fixation using K-wire for elbow fracture-dislocation with coronoid fracture

鉤状突起骨折を伴う肘関節脱臼骨折のうち,内固定後も不安定性の残存が危惧された症例に対して鋼線による一時的関節固定を行った6例の治療成績を,後ろ向きに調査した.平均年齢は49.3歳,男性は4例,女性は2例,受傷から手術までの期間の平均は9.8日,平均経過観察期間は15.3か月であった.鈎状突起骨折は,O'Driscoll分類でTip-2が4例,Basal-1が2例で,4例で橈骨頚部や肘頭骨折を合併していた.手術は,術中の脱臼の整復位の保持のために鋼線による関節固定を行った.鋼線は術後平均2.3週で抜去した.最終診察時の平均可動域は屈曲が133.3° ,伸展が-6.7° ,全例疼痛や不安...

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Published inJournal of Japan Elbow Society Vol. 27; no. 2; pp. 127 - 130
Main Authors Inagaki, Katsunori, Kawasaki, Keikichi, Morohoshi, Akiko, Kubo, Kazutoshi, Yasuda, Tomohiro, Sakai, Takeshi, Ikeda, Jun, Tomita, Kazunari, Nishikawa, Hiroki, Tsutsui, Sadaaki
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Elbow Society 2020
日本肘関節学会
Subjects
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.27.2_127

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Summary:鉤状突起骨折を伴う肘関節脱臼骨折のうち,内固定後も不安定性の残存が危惧された症例に対して鋼線による一時的関節固定を行った6例の治療成績を,後ろ向きに調査した.平均年齢は49.3歳,男性は4例,女性は2例,受傷から手術までの期間の平均は9.8日,平均経過観察期間は15.3か月であった.鈎状突起骨折は,O'Driscoll分類でTip-2が4例,Basal-1が2例で,4例で橈骨頚部や肘頭骨折を合併していた.手術は,術中の脱臼の整復位の保持のために鋼線による関節固定を行った.鋼線は術後平均2.3週で抜去した.最終診察時の平均可動域は屈曲が133.3° ,伸展が-6.7° ,全例疼痛や不安定性はなかった.合併症として,異所性骨化と軽度の関節列隙の狭小化を各1例ずつに認めた.本骨折に対する鋼線による一時的関節固定は,短期の治療成績は良好であったが,創外固定が存在する現在ではその使用は限定的と思われる.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.27.2_127