骨頭合力は大腿装具(hip joint moment reduction brace)により減弱可能か

【目的】股関節モーメント減弱という新たな概念のもと, 大腿装具hip joint moment reduction brace (HMRB)を作製, 生体力学的効果を明らかにした. 【方法】立脚時, 股関節内転を妨げ, 骨盤平衡の補助となる装具とした. 坐骨受け部荷重, 床反力, 外転筋筋電等の解析等を行った. 平均年齢22歳の健常男性6名で, 両脚, 片脚立位, 歩行時の装具有無, 一本杖歩行との違いを検討した. 【結果】坐骨荷重はstance phase後半で大きく, 床反力との比較で最大43%であった. 積分筋電は装具装着により両脚立位66%, 片脚立位72%に減少, 全stance p...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 33; no. 3; p. 202
Main Authors 志波直人, 中島義博, 前田貴司, 樋口冨士男, 大川孝浩, 井上明生, 田川善彦, 山本耕之, 村山修二, 松本靖, 福沢勉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.03.1996
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Summary:【目的】股関節モーメント減弱という新たな概念のもと, 大腿装具hip joint moment reduction brace (HMRB)を作製, 生体力学的効果を明らかにした. 【方法】立脚時, 股関節内転を妨げ, 骨盤平衡の補助となる装具とした. 坐骨受け部荷重, 床反力, 外転筋筋電等の解析等を行った. 平均年齢22歳の健常男性6名で, 両脚, 片脚立位, 歩行時の装具有無, 一本杖歩行との違いを検討した. 【結果】坐骨荷重はstance phase後半で大きく, 床反力との比較で最大43%であった. 積分筋電は装具装着により両脚立位66%, 片脚立位72%に減少, 全stance phaseで67%に低下, 一本杖使用時61%であった(ANOVA, p<0.01). 【考察】坐骨部荷重, 外転筋活動減少から, 股関節のモーメントおよび骨頭合力の減少が推察された. 軽量で装着が容易なHMRBは股関節症の有用な一保存治療手段となる可能性がある.
ISSN:0034-351X