Covered Z-stentが有用であった再発肺癌の1例

症例は52歳, 男性. 1999年2~5月, 右上幹原発の肺扁平上皮癌T4N3M0, IIIB期で, 放射線60GyとMVP3コースを行った. 10月に右胸水貯留し, ドレナージを行った. 化学療法中に再び胸水貯留, 再ドレナージするが・肺拡張不全とair leakが持続した. 末梢肺からの瘻孔と考えられ, 手術も考慮されたが, 右PAが腫瘍でほぼ閉塞しており, 右肺は無機能と考えられたため, 瘻孔閉鎖と左主気管支の気道確保のため, covered Z-stentを気管下部から左主気管支に挿入した. air leakは消失, 呼吸困難もなく挿入後48日目に退院, その後通常の日常生活を送ってい...

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Published in気管支学 Vol. 23; no. 2; p. 176
Main Authors 横川正樹, 遠藤正浩, 高田佳木, 大林加代子, 小谷義一, 里内美弥子, 加堂哲治, 松岡英仁, 坪田紀明, 松本祥一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.03.2001
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は52歳, 男性. 1999年2~5月, 右上幹原発の肺扁平上皮癌T4N3M0, IIIB期で, 放射線60GyとMVP3コースを行った. 10月に右胸水貯留し, ドレナージを行った. 化学療法中に再び胸水貯留, 再ドレナージするが・肺拡張不全とair leakが持続した. 末梢肺からの瘻孔と考えられ, 手術も考慮されたが, 右PAが腫瘍でほぼ閉塞しており, 右肺は無機能と考えられたため, 瘻孔閉鎖と左主気管支の気道確保のため, covered Z-stentを気管下部から左主気管支に挿入した. air leakは消失, 呼吸困難もなく挿入後48日目に退院, その後通常の日常生活を送っていたが, 本年9月局所再発により, 挿入後277日で呼吸不全で死亡した. 再発腫瘍によるカバーの破損はあったが, 金属部分の逸脱, 破損はなく, 最期まで気道が確保され, QOLも保たれた. 瘻孔閉鎖を目的とした本stentの有用性について報告する.
ISSN:0287-2137