リハビリテーション病院としての診療録管理と今後の課題について

「目的」日本医師会の診療情報の提供を自主的に行うべきであるという趣旨に基づいて, 当院においても「診療情報の提供に関する指針」を定め, 疾病と診療の内容を十分に把握できるような診療記録の整備を進めてきた. チーム医療として取り組んでいるリハビリテーション診療の記録をどのような形で残すのかを検討してきたが, その成果と今後対応すべき課題について報告する. 「対象および結果」対象は1999年1年間の入院581名, 退院530名の診療記録とした. (1)リハ部門の病棟別担当配属制の導入と同時に, それまで別保管していたリハ記録を入院カルテに挟み込み, 医師, 看護婦の記録と共に一体化を図った. (2...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 12; p. 1144
Main Authors 山崎駿, 有澤修, 武富由雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.2000
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」日本医師会の診療情報の提供を自主的に行うべきであるという趣旨に基づいて, 当院においても「診療情報の提供に関する指針」を定め, 疾病と診療の内容を十分に把握できるような診療記録の整備を進めてきた. チーム医療として取り組んでいるリハビリテーション診療の記録をどのような形で残すのかを検討してきたが, その成果と今後対応すべき課題について報告する. 「対象および結果」対象は1999年1年間の入院581名, 退院530名の診療記録とした. (1)リハ部門の病棟別担当配属制の導入と同時に, それまで別保管していたリハ記録を入院カルテに挟み込み, 医師, 看護婦の記録と共に一体化を図った. (2)退院時に各部門の要約やインテーク記録などを入院記録の前に集約して入院経過を把握しやすくした. (3)外来通院など継続的な経過を把握しやすくするために, 退院後はリハ記録を外来カルテに保管した. (4)リハ病院として記載する病名, 症候名について医局内の統一を図り, 退院要約の病名をICD-10に従って分類した. (5)病歴管理委員会にて随時記録内容を検討, 要望事項について各部門に周知徹底を図るように心掛けた. 「考察および結語」今後の課題として, 院内ランの構築によるデータベースの作成やリハプログラムにクリティカルパスの導入も検討中であるが, リハ病院の診療記録としてチーム医療の成果をいつでも迅速に提供できるような診療録管理を実現させたい.
ISSN:0034-351X