Ecological distribution of larvae of greenlings, Hexegramnas otakii JORDAN et STARKS in the Kii Channel and adjacent waters
1967年4月から1977年3月までの間に, 和歌山県沿岸海域で(稚)A網によって採集されたアイナメ稚仔魚を材料として, 紀伊水道およびその周辺海域における稚仔魚の出現時期および水平分布, 分布と水温・塩分量との関係などについて検討した。1 稚仔魚の出現時期は12月8日-3月15日で, その盛期は1月21日-2月10日の比較的短期である。2 稚仔魚は和歌山県沿岸海域の全域にわたって出現し, 濃密域は紀伊水道中・北部域にみられる。3 稚仔魚の出現時の表層水温および塩分量の範囲は, それぞれ, 8.9-20.0℃, 32.36-34.96‰であり, 水温9-15℃, 塩分量32.7-34.5‰の範...
Saved in:
Published in | Aquaculture Science Vol. 26; no. 4; pp. 170 - 177 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本水産増殖学会
1979
Japanese Society for Aquaculture Science |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0371-4217 2185-0194 |
DOI | 10.11233/aquaculturesci1953.26.170 |
Cover
Summary: | 1967年4月から1977年3月までの間に, 和歌山県沿岸海域で(稚)A網によって採集されたアイナメ稚仔魚を材料として, 紀伊水道およびその周辺海域における稚仔魚の出現時期および水平分布, 分布と水温・塩分量との関係などについて検討した。1 稚仔魚の出現時期は12月8日-3月15日で, その盛期は1月21日-2月10日の比較的短期である。2 稚仔魚は和歌山県沿岸海域の全域にわたって出現し, 濃密域は紀伊水道中・北部域にみられる。3 稚仔魚の出現時の表層水温および塩分量の範囲は, それぞれ, 8.9-20.0℃, 32.36-34.96‰であり, 水温9-15℃, 塩分量32.7-34.5‰の範囲での出現数量が多い。4 稚仔魚は塩分量に対する適応性の幅がかなり大きいが, 水温に対する適応性の幅が比較的小さく, 狭温, 広塩性の稚仔魚といえよう。5 稚仔魚は紀伊水道域における水温が低く, 外洋系水の紀伊水道域への流入が強勢のときに, 水温が不連続になっている海域に濃く分布する傾向がみられる。6 採集稚仔魚の全長範囲は7-27mmであり, そのモードは12月が7-9mmでふ化後10日以内, 1-2月が9-12mmでふ化後約10-20日を経過しているものと推定される。7 紀伊水道域に出現するアイナメ稚仔魚の主産卵期は12月上-中旬頃, 産卵場は紀淡・鳴門両海峡の水のよく澄んだ潮通しのよい沿岸域の藻場と推定される。 |
---|---|
ISSN: | 0371-4217 2185-0194 |
DOI: | 10.11233/aquaculturesci1953.26.170 |