ベットレストの良導絡チャート

長期臥床は, 生体に種々の変化を起こすという. また下肢に負担のかからない長期の宇宙生活は, 地球生還時に日常生活に不便をきたすと聞く. 今回, 1ヵ月に亙るベット生活者の良導絡測定を行った. 成人男子5名を, 約1ヵ月の間, 日常生活(洗面, 食事, 排泄など)をベットの上で行わせた. 期間中は, 1度も坐位・起立させる事はなかった. 良導絡測定は, ベットレストの前後, 坐位と臥位で行った. 良導絡チャートの前後の比較を, 平均電流量でみるとベットレスト前の坐位・臥位はそれぞれ60μA台で, ベットレスト後のそれは, 130μA台であった. またH5・H6に, 前後の座位, 臥位ともに抑制...

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Published in日本鍼灸良導絡医学会誌 Vol. 27; no. 4; p. 32
Main Authors 竹之内三志, 後藤公哉, 和田哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡神経学会 01.09.1999
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ISSN0286-1631

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Summary:長期臥床は, 生体に種々の変化を起こすという. また下肢に負担のかからない長期の宇宙生活は, 地球生還時に日常生活に不便をきたすと聞く. 今回, 1ヵ月に亙るベット生活者の良導絡測定を行った. 成人男子5名を, 約1ヵ月の間, 日常生活(洗面, 食事, 排泄など)をベットの上で行わせた. 期間中は, 1度も坐位・起立させる事はなかった. 良導絡測定は, ベットレストの前後, 坐位と臥位で行った. 良導絡チャートの前後の比較を, 平均電流量でみるとベットレスト前の坐位・臥位はそれぞれ60μA台で, ベットレスト後のそれは, 130μA台であった. またH5・H6に, 前後の座位, 臥位ともに抑制が, F2・F4・F5に前後の坐位, 臥位ともに興奮が見られた. 【考察】 標本の特性については詳細なデータは集めていない. ベットレスト前後における平均電流量の2倍の差は, 交感神経緊張状態を示唆していると思われる. また, H系の抑制, F系の興奮は, 精神的緊張あるいは心因性ストレスなどが考えられる. 【結語】 ベットレスト1ヵ月の良導絡チャートは平均電流量で約2倍の差があった. また, H系の抑制, F系の興奮が見られた.
ISSN:0286-1631